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  • 月: 2022年5月
  • 『白内障手術の超音波乳化吸引術って何?』

    今回は、白内障手術における超音波乳化吸引術についてです。
    12ミリある水晶体を、そのまま2ミリ強の小さな切開創から取り除くことはできません。そのため、水晶体を小さくする必要があります。そこで、超音波で水晶体を砕き、小さくなった水晶体を吸引していきます。
    これが超音波乳化吸引術です。

    分かりやすく例えると、大きな岩をドリルで砕き、小さくしたかけらをホースで吸い取る、というイメージです。
    そして、もし岩がものすごく硬いと、ドリルではびくともしなくなり、砕くのが困難になりそう、と想像できるかと思います。

    白内障は進行するほど、水晶体は硬くなっていきます。そして、末期の成熟白内障ともなると、岩のように固くなることもあります。
    20年くらい前までの機器では、成熟白内障の硬さに歯が立たないことが多かったです。そのため、成熟白内障に限っては、12ミリの切開創で水晶体ごと取り除くような手術をしていました。

    現在の機器は、破壊力が格段にアップし、ほぼすべての成熟白内障でも対応可能となりました。そのため、ここ10年は、切開創の大きい手術はまったく必要なくなりました。

    それに伴い、手術時間も大幅に短縮され、術者のストレスも軽減されました。

    開発に携わった方々、ありがとうございます。

    『白内障手術は、どれくらい切開するの?』

    今回は、白内障手術の切開創に関するお話です。

    ずーっと昔は、水晶体をまるごと取り除いておりました。水晶体は、直径10ミリ程度あります。そのため、切開創は、水晶体より少し大きい12ミリくらいが必要でした。
    12ミリというと、黒目と白目の境目を上半分切るイメージです。

    その後、超音波乳化吸引術という画期的な技術が登場しました。これは、水晶体を超音波で砕き、小さくした水晶体を吸い取る、というものです。この機器の登場により、切開創を大幅に小さくすることが可能となりました。

    すると、次は眼内レンズが切開創の律速段階となりました。
    眼内レンズは、直径6ミリ程度あります。これをそのまま入れようとすると、切開創は6.5ミリくらい必要でした。

    そんな中、二つに折りたたんで入れることができるという、画期的な眼内レンズが登場しました。これにより、切開創は4ミリで可能となりました。

    さらに、インジェクターが登場しました。
    これにより、筒状の入れ物に眼内レンズを折りたたんだ状態で入れることが可能となりました。さらに、インジェクターが進化しており、いまでは2ミリくらいの切開創で手術可能となりました。
    2ミリがいかに小さいかを体感するために、定規で2ミリを確認してください。

    切開創が小さくなったことで、『自己閉鎖』と言って、切開創が自然に閉鎖するようになりました。そのため、切開創を糸で縫う必要がなくなったことが、革命的でした。
    これにより、手術時間が大幅に短縮しました。また、糸による手術後の痛みもなくなりました。
    さらに、術後の視力回復も格段に早くなり、多くの方は手術翌日からベストに近い状態まで視力が出るようになりました。
    まさにいいことばかりです。

    超音波乳化吸引とインジェクターを開発した人たちに感謝しながら、手術をする今日この頃です。

    白内障手術とセンチュリオン

    白内障手術では、白く濁った水晶体を超音波で砕き、小さくしながら吸引していきます。
    ここで使用する機械を
    『フェイコマシーン』
    と言います。
    白内障手術の中で、この部分で一番トラブルが起きやすく、特に白内障が進行した症例では、難しくなります。そのため、フェイコマシーンの性能が、白内障手術に多大な影響を及ぼします。

    私はいままで、ずっとアルコン社の歴代フェイコマシーンを使用していました。
    私が眼科医になった20年前は、『マレニアム』や『アキュラス』でした。当時はかなり普及していたので、40歳以上の眼科医なら、一度は使用したことがあるかと思います。
    これらのフェイコマシーンでは、非常に進行した成熟白内障には歯が立ちませんでした。そのため、そのような症例では、水晶体嚢外摘出術という、目の上半分を切開し、水晶体を丸ごと取り除く手術を行っていました。

    次に、いまから約15年前に、『インフィニティ』が登場しました。
    こちらは、格段に性能が良くなっており、感動したのを覚えています。成熟白内障でも対応可能となったので、インフィニティの登場以降、嚢外摘出術は一度も行っていません。
    とはいえ、水晶体を破砕するのに非常に時間がかかるうえに、途中でしょっちゅう詰まっていました。そのたびにハンドピースに水を通したり、チップを変えたりと、結構大変でした。

    そして、10年弱前に、ついに『センチュリオン』が登場しました。
    こちらは、破砕力がさらに強力になっており、成熟白内障ですら、ほとんどストレスなく対応できるようになりました。しかも、今までさんざん術者を困らせた詰まりもまったくありません。

    手術が無事にできているのは、自分のテクニックのおかげ・・・ではなく機器の進歩のおかげだと、感謝しながら手術する日々です。

    『強度近視の片目だけの白内障手術は可能ですか?』

    白内障手術では、手術の時に目の中に移植する眼内レンズの度数により、近視や遠視などのピントの位置を調整することができます。
    強度近視の場合、近視を軽くすることが可能で、近視をほぼ0にすることもできます。そのため、白内障のにごりを取ることによる視力回復だけでなく、近視矯正としてのメリットも大きく、手術後に喜ばれることが多いです。

    しかし、強度近視の方で、片目のみ白内障が進行している場合、片目のみ手術をして近視を軽減させると、手術しないほうの目と度数の差が非常に大きくなってしまいます。そうなると、手術後に眼鏡での矯正が困難となり、不便が生じることが懸念されます。

    そのため、強度近視で片目のみ白内障が進行している場合、
    ①両目手術する
    ②片目のみ手術する
    ③もう片方も白内障が進むまで手術を我慢する
    の3択となります。

    ①の両目手術する場合、左右差を気にせずに手術できるため、わかりやすいです。しかし、手術にはリスクを伴い、視力低下のない目を手術することに抵抗を感じる方も多いです。

    ②の片目のみ手術する場合、術後の左右差にどう対処するかを検討する必要があります。最も左右差を感じにくいのが、コンタクトです。しかし、コンタクトは24時間使用できないのが難点です。
    眼鏡で矯正する場合、左右差が大きいと完全矯正が困難です。そのため、通常は手術した目を中心とし、反対目は低矯正にしてバランスを取ります。
    しかし、どうしても左右差に適応できないようだと、早めに反対目も手術する必要が出てきます。

    どの方法がよいかは、個人差が大きいので、手術のタイミングを慎重に検討し、手術をする際には、手術のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。

    『白内障手術は何歳までできますか?』

    白内障手術と年齢についてのお話です。
    「白内障手術は何歳までできますか?」
    「白内障手術は早い方がよいですか?」
    という質問がよくあります。

    まず結論ですが、白内障手術に年齢制限はないです。
    当院で白内障手術した最高年齢は94歳です。また、院長自身は、以前勤務していた病院で99歳の方を手術した経験があります。共に、術後問題ありませんでした。
    100歳以上の方の手術は経験がないのですが、100歳以上で、手術希望がある方や適応になる方は滅多にないかと思います。

    一方、全身状態が悪く、
    ・自力で歩行できないため通院が困難
    ・横になってじっとしていられない
    ・座位が保てず、検査ができない
    などがあると手術は困難です。
    そのため、白内障手術は、年齢より全身状態のほうが重要です。

    次に、白内障手術は早い方がいいか?という質問ですが、こちらは、正確に答えるのがなかなか難しいです。
    白内障が進行すると手術が難しくなることがあります。また、全身状態が悪くなると、上記のために手術ができなくなることもあります。
    一方、手術結果は、手術した時期に関わらずほとんど変わりないです。
    そのため、白内障手術は目の状況や年齢を含めた全身状態により、やるべき時期が変わってきます。

    当院では、手術を強要するようなことはありませんので(最後の一押しが欲しい方には物足りないかもしれませんが)白内障手術の時期につき、迷うことがあれば、お気軽にご相談ください。

    『白内障手術のとき、付き添いは必要ですか?』

    今回は、手術時の付き添いについてのお話です。

    当院では、白内障手術後は眼帯をしています。眼帯は翌朝診察し、問題なければ眼帯は外れます。そのため、手術後の帰りと、翌日の受診時は片目となります。
    片目だと立体感が取れず、見えにくいなど不便を感じることがあります。
    片目でも歩行に問題なければ、付き添いなしでも可能です。また、お金はかかりますが、タクシーを利用する方法もあります。
    一方、片目は歩行に不安を感じる方、転倒など心配な方は、付き添いがあった方が安心です。

    白内障手術を検討されている方は、試しに片目をつぶった状態で歩行などをしてみると、わかりやすいかと思います。

    『反対目が見えない場合、どうするの?』

    白内障手術をした後は、翌日の外来まで眼帯をする必要があります。しかし、反対目が見えない場合、生活に支障が生じます。

    そこで、当院では、透明眼帯を使用しています。今のところ、手術後からよく見えると、概ね好評です。

    ただし、手術直後の見え方は個人差があるため、家族などのサポート体制が不可欠です。そのため、一人暮らしの方など、生活に不安がある場合は、入院して手術を受けたほうが安心です。当院では日帰り手術のみで、入院ができないため、入院ができる病院へご紹介することも可能です。

    大切な目ですので、一度ご相談ください。

    『白内障手術は日帰りと入院、どちらがいいの?』

    今回は、白内障手術 日帰りVS入院 のお話です。

    まず、よしだ眼科は入院施設がないため、日帰りのみとなっています。
    院長が以前勤務していた病院には入院施設があり、日帰りと入院がちょうど半分半分くらいでした。
    それらの経験を踏まえて、今回は日帰りと入院のメリット・デメリットなどにつき、説明します。

    まず、手術結果ですが、どちらも変わりありません。
    そのため、医学的には白内障手術に入院は必要ないと考えております。

    日帰りと入院の違いは、手術した日に家に帰るか、病院に泊まるか、の違いとなります。

    日帰りのメリットは、余計な手間が必要ないことです。
    外来と同じように受診し、手術をして、ご帰宅できます。当院での滞在時間は1~2時間程度です。

    一方入院すると、手続きや泊まるための荷物の準備など、やるべきことがたくさんあります。さらに、初めての病院で緊張したり、ごはんが口にあわなかったり、隣の人のいびきがうるさくて寝れないなど、様々な問題が生じる可能性があります。
    また高齢者ですと、入院により生活環境が変わることで、精神状態が不安定になり、認知症が進行することがあります。

    日帰りでは、慣れた家に帰れるため、それらの心配はありません。

    一方、入院のメリットは、手術前後の通院の必要がないことです。術後、眼帯をするため、片目になってしまいます。そのため、家が遠い、足が悪い、反対目が視力不良など、通院が困難な方に有用です。
    また、夜中に痛みなど何かあったときの安心感があります。
    ただし、白内障手術は痛みが出ることは少なく、夜間に緊急処置が必要となることはごくまれです。しかも、入院施設でも夜間に手術などの対応ができるところは実は少なく、結局は翌朝診察してからの対応となることがほとんどです。

    というわけで、白内障手術は、まずは日帰りで手術することを前提として、様々な理由により日帰りでは難しい場合に、入院施設で行うことを検討する、という流れで検討いただければよいのではと考えております。

    『白内障手術後、いつから運転できますか?』

    普通免許の更新には、両目で矯正視力0.7以上が必要となります。

    白内障手術は、ごくまれですが、合併症により視力が低下することもあり、視力の改善を保障することはできません。
    そのため、手術後に運転免許が更新できること自体、お約束ができません。

    手術が無事終了した場合ですが、手術翌日からすぐに視力が出ることも多いですが、視力回復に術後1~2週間程度を要することもあります。また、手術後に度数が変化するため、眼鏡を新しく作成する必要が生じることもあります。

    結論としては、手術後に運転ができるどうか、そして、いつから可能かは、手術をやってみなければわかりません。
    念のため、手術後は運転を控えて頂いたほうがよいかと存じます。

    今月の置き看板

    スタッフが、今月も置き看板を描いてくれました。
    『すみっこぐらし 子供の日バージョン』
    です。
    すみっこたちが、鯉のぼりになっています。

    いつもかわいい絵をありがとうございます。