開業日記 エピソード31
「ロゴマークと診療理念」
ロゴマークを作成するにあたり、適当にカッコイイものを作ってもらうのではなく、何か物語を語るデザインにしたい、と考えました。そこで、ロゴマークは「診療理念」を形にしたものにしよう、とひらめきました。とは言え、当時はまだ、診療理念なんて考えてもいませんでした。
というわけで、まずは診療理念を作成することにしました。
『なぜ開業をするのか?』
を改めて考えてみることにしました。そして、
「みんなを幸せにする」
という言葉が思い浮かんでいました。しかし、そのまま使うと、ディズニーランドの「ハピネス」とかぶってしまいます。それでは、ミッキーに申し訳ありません。
また、アミューズメントパークではなく、眼科を作るので、題名を
「眼科医療でみなさまを幸せにする」
としました。「眼科医療で」と入れたことで、眼科医療以外の経済活動はしない、という決意表明でもありました。
本文は、ジョンソンアンドジョンソンのような作文風に書こうとしましたが、残念ながら文才がないためうまくいきませんでした。そこで、他院の診療理念のいいところをかき集めてから、自分の言葉に書き換える、という作業をしました。さらに、それを製薬会社のY氏に添削をしてもらい、修正する、という作業を何度も繰り返していきました。おそらく、10回以上はやり取りしたのではないでしょうか。そして、最終的には、他院のかき集めた文章が跡形も残らないくらいに修正され、ついに完成しました。
診療理念を作る作業は、確かに大変でしたが、自分の開業への想いを確認する素晴らしい時間となりました。そして、今後の開業活動だけでなく、開業してからも、この診療理念に何度も助けられることになりました。
思いのほか、診療理念の作成に時間がかかったので、急いでロゴマーク作成に取り組みました。今回は広告代理店のデザイナーにお願いすることになりました。
そこで、診療理念を読んでいただき、デザインを考えてもらうことにしました。
ロゴマークのうち、まぶたを表現している草の部分は、1発目に出てきました。見た瞬間に、「これだ!」
とわかりました。
一方、目の部分は、5回くらい書いていただきましたが、いいのが上がってきません。そこで、自分で考えることにしました。
診療理念を何度も読み返していると、「4」という数字が浮かび上がってきました。さらに、娘が書いた女の子の絵を見たときに、ピンときました。
そして、大きな丸のなかに4つの小さな丸を入れる、というデザインを思いつきました。
(詳細はよしだ眼科HPのロゴマークを参照)
全体のデザインが完成したときは、
「きたー!!」
と織田裕二ばりに叫んでいました。
ついに、ロゴマークの完成です。
続く