今回は、手術時の付き添いについて、説明します。
当院では、白内障手術後は眼帯をしています。眼帯は翌朝診察し、問題なければ眼帯は外れます。そのため、手術後の帰りと、翌日の受診時は片目となります。
片目だと立体感が取れず、見えにくいなど不便を感じることがあります。
片目でも歩行に問題なければ、付き添いなしでも可能です。また、お金はかかりますが、タクシーを利用する方法もあります。
一方、片目は歩行に不安を感じる方、転倒など心配な方は、付き添いがあった方が安心です。
白内障手術を検討されている方は、試しに片目をつぶった状態で歩行などをしてみると、わかりやすいかと思います。
高齢者の新型コロナウイルスに対するワクチン接種が本格的に始まりました。
それに伴い
『白内障手術希望ですが、ワクチン接種してもいいですか?』
など、ワクチンと白内障手術に関する質問をよく受けます。
現時点での当院での基本的方針は、
『ワクチン接種と白内障手術は2週間以上あける』
としております。
特に2回目ワクチン後に発熱などの体調不良が起こることがあります。それに伴い、必要な診察や検査ができなくなる可能性があります。また、腕があがらなくなることがあり、点眼ができなくなる恐れもあります。
ワクチン接種後に手術をする場合、接種して1週間後に診察をして、体調などに問題がないことが確認できれば、その翌週手術は問題ないと考えます。
また、白内障手術後にワクチン接種をする場合、手術後2週間経てば、点眼や通院が困難になっても大丈夫な期間となります。
以上を踏まえて、当院では接種と手術を2週間以上空けることとしています。
ただし、ワクチンと眼に関する情報は、現時点では出ていないため、この2週間に医学的根拠はありません。そのため、今後接種が進む中で、2週間以上あけたほうがよさそうなら、期間は伸ばす可能性もあります。
すでに接種の日程が決まっている場合は、接種後に手術されるのが現実的です。
一方、接種の日程が決まっていない場合は、まずは手術と接種のどちらを優先するか、決めておく必要があります。手術が早期に必要で、接種予約がいつになるかわからないようでしたら、早めに手術を済ませてしまってもよいかもしれません。
白内障は、主に加齢性変化のため、両目ともに進行することが多いです。とはいえ、左右全く同じということは少なく、多少なりとも視力に左右差が出るものです。
白内障手術に際し、悪いほうの目だけでいいか、それとも両目とも手術したほうがいいか、というご相談をよく頂きます。
まず、両目手術のメリットですが、
・術後の左右のバランスがよい
・ピントの位置を自由に選ぶことができる
・眼鏡を早く作成できる
・検査などが一度で済む
・同じ月だと、限度額により、自己負担額が安くなる
などが挙げられます。
両目ともある程度白内障が進行している場合、いずれ両目とも手術することになるため、両目とも手術をしたほうが、メリットは大きいと考えます。
一方、片目のみ白内障が進行しているが、他目は比較的視力良好の場合は難しいところです。
白内障手術は、安全性は非常に高いものの、リスクはゼロではないため、他目の視力が良好で、まったく不便を感じていない場合は、さすがに片目のみでよいと思います。
一番悩むのが、他目もそこそこ視力低下している場合です。
その場合は、視力や度数の左右差などを考慮したうえで、片目か両目かを相談して決定します。
これは、個々人の目の状態により変わってきますので、迷ったら一度ご相談頂ければ幸いです。
手術当日は、午後1時40分までに受診していただきます。
手術の準備として、目薬とキャップの着用を行います。その後、順番で手術を行います。
手術の順番は、目の状態などから、事前にこちらで決めさせていただいております。
手術時間は、10分程度です。ただし、手術の準備と片付けがあるため、手術室での滞在時間は20分程度です。
手術後は、体調に問題がなければ会計して終了となります。
安全な準備のため、手術の方は同時刻にご来院頂いております。最後の方で、3時半頃に手術終了予定です。しかし、場合により終了時刻が遅れることがあります。
予めご了承ください。
普通免許では、矯正視力0.7以上が必要となります。
そのため、矯正視力が0.7以上出た時点で車の運転が可能となります。
白内障手術は安全性が高く、合併症などが起こる可能性はとても低くなっています。しかし、ごくまれですが、様々な合併症が生じて、視力が低下する可能性もゼロではありません。
また、手術後の視力は、角膜、網膜、視神経などの、目の他の部分の機能に依存します。白内障以外の病気があれば、手術は無事終わっても、視力が改善しないこともあります。
というわけで、手術前に運転できる視力が出ると保障することすらできず、いつから運転できるとお約束することはできません。
一方、経過良好で術後視力が良好な場合ですが、手術翌日から視力がばっちりでることもあれば、1~2週間程度改善に時間がかかることがあります。
また近視の場合、眼鏡の度数が変わることが多いです。その場合、眼鏡を作成し直す必要があります。
結論ですが、手術後いつから運転できるかはわからないため、しばらくは運転する用事は控えて頂ければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
白内障手術をした直後はよく見えていたけど、数年して視力がまた低下した、という方がいます。
まず、一番多いのが
『後発白内障』
です。
水晶体は、『嚢』という透明の袋で包まれています。白内障手術は、嚢を残して、中味の濁った水晶体を取り除き、残った嚢に眼内レンズを挿入します。
嚢は、最初は透明ですが、時間が経つと、白くにごってしまうことがあります。これが後発白内障です。
症状は、白内障と同様に視力低下が生じます。
こちらは、外来にてレーザー治療で治ります。レーザー治療は5分程度で可能です。
それ以外は、白内障とは関係のない病気の発症が原因となることがおおいです。
特に、白内障手術を要する方は高齢者が多いため、加齢性黄斑変性、緑内障、網膜静脈閉塞症、黄斑前膜など、様々な目の病気を発症する恐れがあります。
そのため、白内障手術が無事終了し、経過良好でも、定期的な診察は続けておいた方がよいかと存じます。
当院では、手術後に眼帯をします。
最近では、眼帯をしない施設も増えてきています。しかし、当院では80歳以上の方も多く、不意に目を触ってしまう可能性を危惧して、眼帯を続けております。
眼帯は、手術翌日の診察時に外します。その後、眼帯は必要ありません。また、当院では保護用ゴーグルも使用しておりません。
眼帯のため、手術当日と翌日は片目となります。片目だと立体感がわかりにくいため、転倒などに注意が必要です。特に、手術しない方の目が視力不良の場合、通院や生活に支障がでるため、事前に家族の方などに付き添いをお願いして頂ければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
手術後に大量の汗が目に入ると、傷口から菌が入り込み、感染のリスクが高まります。また、極端に重い物を持ったり、こすったりすると、傷口が開いてしまう恐れがあります。
そのため、手術後1か月間は、激しい運動やウエイトトレーニングは禁止としています。
一方、日常生活レベルのウォーキングやストレッチなどは、手術翌日から可能です。
汗もほとんどかかず、力もそれほど入れない軽い運動は手術後1週間程度で可能です。
ただし、軽いか激しいかは、個人の運動能力により差があるため、こちらも判断が難しい場合が多いです。
手術後は無理をせずに、のんびりと過ごしていただくことをオススメします。
手術後に目に大量の水が入ると、傷口から菌が入り込み、感染を起こすリスクが高まります。
万が一術後の感染を起こすと、重篤な視力障害を生じる可能性があるため、なんとしても避けたいところです。
プールは色々な人が使用するため、医学的には決してキレイとは言えません。そのため、プールは手術後一番感染リスクの高い行為と言えます。
そこで、手術後のプールは1か月間禁止となります。
その間の運動は、ウォーキングなどで代用して頂ければと存じます。
よろしくお願い申し上げます。
まず、診察にて手術適応のある方に、手術の希望につき伺います。
手術希望がある場合、手術や術前検査の日程を予約していきます。
当院では、月曜と木曜の午後が手術日となっております。
また、手術翌日は、9時半から診察を行います。そのため、手術日午後と翌日午前中に受診の必要があります。
さらに術前検査のため、手術までに2回の受診が必要となります。
これらの日程をすべて決定した時点で、手術が決定となります。
なお、電話での予約や代理人による予約はできませんので、ご了承ください。