ジェネリック薬品の名前と色
「どのめぐすりが足らないですか?」
「白いキャップのめぐすりはありますが、灰色のキャップのめぐすりが足らないです」
眼科診察でよくある会話です。
以前は、この会話で、めぐすりの内容がわかりました。しかし、近年、ジェネリック薬品が普及したために、これではわからなくなってしまいました。
ここから詳しい説明ですが、まずはジェネリック医薬品とはなにか?について説明する必要があります。
退屈な話なので、興味がない方は読み飛ばしてください。
薬は、どこかの製薬会社が開発し、製造・販売されます。この際、会社は特許を取るため、当面の間、他社が同じ製品を作ることができません。しかし、ある一定の期間を過ぎると、この特許が切れます。それに伴い、他社も同じ製品を作ることが可能となります。
しかも、開発費が必要ないため、ジェネリック薬品は最初の製品(先発品)より安くなります。
日本は、少子高齢化のため、医療費が年々増え続けております。そこで、医療費を少しでも抑制しようと、国はジェネリック医薬品の使用を推奨しております。
患者さんからすると、同じ効果の薬が安く手に入るので、メリットになります。
一方、問題もあります。
ジェネリック薬品は、いろいろな会社が作ります。中味は同じですが、めぐすりであれば点眼瓶の色や形は、メーカーごとにバラバラです。医療側からは、ジェネリック薬品のメーカーまで指定できないため、患者さんがどのメーカーの目薬を使用しているかは、実物やお薬手帳を見なければわからないのです。
さらに、ジェネリック薬品は、商品名ではなく製剤名のため、長くて覚えにくい名前のものばかりです。
最初の会話に戻りますが、めぐすりの色を言われても、どれのことを指しているのか、こちらではわからないことがあります。そのため、薬局でもらう処方箋やお薬手帳、おくすりの名前を書いたメモなどを持参して診察にのぞんでいただくと、余計な手間や間違えがなくなるので、よろしいかと存じます。
また、メーカーには、せめて同じような色で揃えるなどの工夫をしていただければと思います。