緑内障のある眼の白内障手術
2019年10月27日
『難しい白内障手術の話』シリーズ第四弾
緑内障のある眼の白内障手術の話。
白内障、緑内障ともに、加齢により増える疾患です。そのため、白内障に加えて、緑内障も合併している方が結構います。
「緑内障があっても、白内障手術は可能ですか?」
という質問をよく頂きます。
結論から言うと、手術は可能です。
白内障手術の難易度については、緑内障のタイプにより、変わります。
多くのタイプでは、難易度は変わりません。
しかし、緑内障発作後や閉塞隅角緑内障、眼圧が極端に高い症例では、手術が困難だったり、術後の眼圧のコントロールが難しいことがあります。
一方、術後の満足度については、緑内障による視野不良の症例では予測が困難です。
術前、視力・視野とも同じような症例に手術をしたとします。手術も問題なく終わり、術後、良好な視力が出たとしても、
「良くなった」
と満足される方がいる一方、緑内障による視野不良により、
「あまり変わらない」
とがっかりされる方もいます。
これは、手術前の視力低下が、白内障メインか、緑内障メインか、に影響されます。
この辺りは、通院し、緑内障治療を続けていくことで、ある程度は把握することが可能です。
そのため、緑内障治療中で、白内障のある方は
「手術がいますぐに必要」
となる一歩前に、一度白内障手術について相談しておくとよいかと存じます。