白内障とブルーライト
先日、母校の慶應義塾大学眼科学教室創設100年記念講演会に行ってきました。
そこで、坪田教授の講演が興味深かったので、こちらに紹介します。
スマホやパソコンなどから発するブルーライトの害について、最近なにかと話題になっています。
ブルーライトは、もともと太陽の光に含まれていて、朝に太陽を浴びて目が覚め、夜暗くなると眠くなる、という人間の体内時計に影響すると言われています。しかし、スマホの画面などを夜遅くまで見ていると、脳が昼間だ、と勘違いして、その後なかなか寝付けないなどの睡眠障害が起こるとされています。
そのため、最近ではブルーライトはすっかり悪役にされ、眼鏡でカットすべきものと認識されています。
しかし、ブルーライトは、本来日中は必要なもので、日中浴びないと、逆に体内時計が狂う可能性があります。
白内障のある目だと、ブルーライトを一日中カットしてしまいます。それにより、睡眠障害が生じる可能性が示唆されています。
また、気分にも影響がでて、うつなどの精神疾患が生じることもあるそうです。
晴れた日は気分がよくなりますし、雨の日が続くと、なんとなく気分が落ち込む、というのは、誰でも経験があるのではないでしょうか。
白内障手術をすると、視力回復だけでなく、睡眠障害や気分の改善などの効果が期待される、ということでした。
実際、白内障手術をした方で、表情が明るくなったり、活動的になったりする方がいらっしゃいます。いままでは、視力が改善したからそうなるのかな、と漠然と考えていましたが、ブルーライトの影響もあるのかもしれません。