白内障とブルーライト2
前回、白内障によりブルーライトが透過できなくなると、睡眠障害や精神疾患を引き起こすことがあること、そして、白内障手術により、それらが改善される可能性があること、という内容でした。
当院でも、これに該当するような症例があったので、紹介します。
その方は、視力が両目とも0.1未満と、非常に強い視力障害がありました。
また、全身状態もあまりよくありませんでした。内科では入院が必要と言われていましたが、精神的な問題などもあり、入院もできない、という状態でした。
通院時は車いすでしたが、自力での移動は困難で、家族に車いすを押されて移動していました。そのため、検査時にイスへ移動するだけでも大仕事でした。
入院ができないため、日帰り手術が可能な当院での手術を希望されました。全身状態的に、当院よりも全身状態の管理のできる大学などのほうがよいのでは、ともお話しましたが、遠方への通院自体も困難であるとのことで、当院で手術を行うことになりました。
幸い、両目とも手術は無事に終わり、視力も大幅に改善されました。
すると、なんということでしょう。
普通に歩いて受診するようになっていました!!!
イスへの移動もなんの問題ありません。
主観的な印象ですが、表情も明るくなり、口数も多くなりました。ご家族の方も、まるで別人のようだ、と喜んでおられました。
これらの件より、白内障手術の効果につき、改めて考える機会となりました。
ただし、白内障手術は視力回復が目的で、睡眠障害や精神疾患が必ずしも改善するわけではないので、あくまでも付加的要素となりますので、過度な期待は禁物です。