白内障手術と感染対策
2020年10月7日
白内障手術において、手術後の感染性眼内炎は最も懸念される合併症です。頻度は0.05%程度と滅多に起こるものではないものの、万が一起こると、重篤な視力障害が生じる恐れがあります。
そのため、感染対策を万全に行う必要があります。
そこで当院における手術時の感染対策についてのお話です。
まず、術者はマスクにキャップをします。これにより、飛沫や髪の毛が落ちることを防ぎます。
イソジンで手洗いをします。
注意点としては、爪先や指の付け根などが洗い残しやすいため、意識的に洗うようにします。
さらに、アルコールで手指消毒します。
そして、無菌の術衣と手袋を着用します。これで術者は無菌状態となります。この状態で壁などの清潔でないものを触ると不潔になってしまうため、どこにも触れないように、とても神経を使います。
次に患者さんの洗顔洗眼です。
イソジンで、目の周りの皮膚を洗顔します。しかし、通常のイソジンは、目などの粘膜には使用できません。そこで、目にも使用できるPAヨードで目の中を洗眼します。
最後に清潔な布であるドレープを被せ、目に周りにサージカルフィルムを貼って、準備完了です。
手術器具は、全て滅菌したものを使用します。
オペ室は、特殊な空調システムを導入しており、クリーンルーム化しています。
手術中や手術終了時にもPAヨードを使用し、無菌状態を維持するようにします。
この状態で手術することで、菌が入る余地を極力なくすよう努力しております。