成熟白内障
2019年10月7日
『難しい白内障手術の話』シリーズ第二弾
成熟白内障について。
成熟白内障とは、白内障が進行しすぎて、水晶体が真っ白(茶色)に濁ってしまった白内障を言います。矯正視力は0.01未満と、ほぼ失明状態のことも少なくありません。
通常の白内障の手術は、比較的短時間で安全にできますが、成熟白内障では、手術が困難なことが多くあります。そのため、手術時間が長くなり、合併症のリスクが高くなります。
さらに、成熟白内障では、目の奥である眼底が見えないため、網膜や視神経に病気があるかどうか、手術前にはわかりません。そのため、術後に視力がどれくらい改善されるのか、されないのか、手術前に予想することが困難です。
以上、まとめると、成熟白内障では、
①手術のリスクが高い
②術後視力が予想できない
という問題があります。そのため、成熟白内障まで進行する前に白内障は手術するほうがよいです。
白内障は、徐々に進行する病気のため、定期的に眼科通院をしていれば、成熟白内障になることはまずありません。しかし、様々な理由で眼科受診が遅れたり、手術の時期が遅くなったりすることで、成熟白内障に進行するケースがあります。
そこで、予防策は簡単で、眼科の定期的な通院と適切な時期に手術をすることが挙げられます。
特に60歳過ぎて、見えにくい、かすむ、などの視力低下を感じたら、我慢せずに一度眼科へ受診してみてください。