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  • カテゴリー: 白内障手術
  • 『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』

    今回は、手術後の視力についての説明です。

    まず初めに、白内障手術の安全性はかなり高いものの、ごくまれに感染症などの重篤な合併症が生じることがあります。その場合、視力が低下することもあります。そのため、手術は視力改善を100%保証するものではありません。

    次に手術が無事終わった場合です。
    手術後の視力は、目の他の部分(角膜、網膜、視神経など)の機能に影響されます。
    他の部分が問題なければ、良好な視力が期待できます。しかし、白内障以外の病気(角膜混濁、緑内障、黄斑変性、網膜剥離などなど)があると、それらは白内障手術をしても治らないため、手術後の視力が改善しないこともあります。

    また、白内障手術をする方は高齢者が多いためか、検査上明らかな異常がないにも関わらず、なぜか視力が改善しない場合があります。

    最後に、手術後に視力は明らかに改善しているにも関わらず、
    「手術しても視力が改善しない」
    と言う方がまれにいます。
    原因は個々で異なりますが、手術前の視力が比較的良かった方、手術に対する期待値が高すぎる方に多い印象があります。

    以上を踏まえたうえで、最初の質問
    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』
    の答えは、
    『やってみないとわからない』
    という、あいまいな言い方になってしまいます。

    『白内障手術後、いま使っている目薬はどうすればよいですか?』

    白内障手術後は、3種類の目薬を使用します。
    そのため、普段から使用している目薬を一緒に使うと、4種類以上となってしまいます。目薬の種類が多いと、本来やるべき手術後の目薬をやっていなかったり、回数が少なかったり、左右間違えて使用していたりと、間違える方が少なくありません。
    そのため、当院では手術後、他の目薬は『原則中止』としております。

    普段使用している目薬をやめることを心配する方もいらっしゃいます。
    手術後の目薬は、術後感染症の予防などのため、大変重要です。それと比較すると、ほとんどの目薬の重要度は低くなります。

    一方、緑内障で目薬がないと眼圧が上がってしまう、などの場合、一部の目薬を継続することもあります。

    手術が決定した際、ご心配であれば確認いただければ幸いです。
    よろしくお願い致します。

    強度近視の片目だけの白内障手術は可能ですか?

    白内障手術では、手術の時に目の中に移植する眼内レンズの度数を調整することにより、近視や遠視などの度数を調整します。
    強度近視の場合、近視を軽くしたり、時には近視をほぼ0にすることも可能です。そのため、白内障のにごりを取ることによる視力回復だけでなく、近視矯正としてのメリットもあり、喜ばれることが多いです。

    しかし、強度近視で、片目のみ白内障が進行している場合、片目のみ手術をして近視を軽減させると、手術しないほうの目と度数の差が非常に大きくなってしまいます。

    この場合、
    ①両目手術する
    ②片目のみ手術する
    ③もう片方も白内障が進むまで手術を我慢する
    の3択となります。

    反対目に少しでも白内障があれば、両目手術すると、左右差を気にせずに手術できるため、最もわかりやすいです。しかし、手術にはリスクを伴うため、視力低下のない目を手術することに抵抗を感じる方も多いです。

    片目のみ手術する場合、術後の左右差にどう対処するかを検討する必要があります。最も左右差を感じにくいのが、コンタクトです。しかし、コンタクトは24時間使用できないのが難点です。
    眼鏡で矯正する場合、左右差が大きいと完全矯正が困難です。そのため、通常は手術した目を中心とし、反対目は低矯正にしてバランスを取ります。
    しかし、どうしても左右差に適応できないようだと、早めに反対目も手術する必要が出てきます。

    どの方法がよいかは、個人差が大きいので、手術のタイミングを慎重に検討し、手術をする際には、手術のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。

    強度近視の片目だけの白内障手術は可能ですか?

    白内障手術では、手術の時に目の中に移植する眼内レンズの度数を調整することにより、近視や遠視などの度数を調整します。
    強度近視の場合、近視を軽くしたり、時には近視をほぼ0にすることも可能です。そのため、白内障のにごりを取ることによる視力回復だけでなく、近視矯正としてのメリットもあり、喜ばれることが多いです。

    しかし、強度近視で、片目のみ白内障が進行している場合、片目のみ手術をして近視を軽減させると、手術しないほうの目と度数の差が非常に大きくなってしまいます。

    この場合、
    ①両目手術する
    ②片目のみ手術する
    ③もう片方も白内障が進むまで手術を我慢する
    の3択となります。

    反対目に少しでも白内障があれば、両目手術すると、左右差を気にせずに手術できるため、最もわかりやすいです。しかし、手術にはリスクを伴うため、視力低下のない目を手術することに抵抗を感じる方も多いです。

    片目のみ手術する場合、術後の左右差にどう対処するかを検討する必要があります。最も左右差を感じにくいのが、コンタクトです。しかし、コンタクトは24時間使用できないのが難点です。
    眼鏡で矯正する場合、左右差が大きいと完全矯正が困難です。そのため、通常は手術した目を中心とし、反対目は低矯正にしてバランスを取ります。
    しかし、どうしても左右差に適応できないようだと、早めに反対目も手術する必要が出てきます。

    どの方法がよいかは、個人差が大きいので、手術のタイミングを慎重に検討し、手術をする際には、手術のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。

    新型コロナウイルスワクチンと白内障手術

    新型コロナウイルスワクチン接種と白内障手術は2週間以上あける、という方針としていました。
    その後、大学病院にて1週間以上あければOKと方針変更となったことを受け、当院でも1週間以上に変更となりました。

    これにより、一回目と二回目の接種の間でも、手術可能となります。

    とはいえ、手術前後は外来通院も多く、スケジュールはかなりタイトになるので、急がなければ二回目の接種を無事終えてから手術されることをお勧めします。

    また、新しい情報が入りましたら、それに合わせて変更になる可能性があります。

    よろしくお願い申し上げます。

    『白内障手術後、いま使っている目薬はどうすればよいですか?』

    白内障手術後は、3種類の目薬を使用します。
    そのため、普段から使用している目薬を一緒に使うと、4種類以上となってしまいます。目薬の種類が多いと、本来やるべき手術後の目薬をやっていなかったり、回数が少なかったり、左右間違えて使用していたりと、間違える方が少なくありません。
    そのため、当院では手術後、他の目薬は『原則中止』としております。

    普段使用している目薬をやめることを心配する方もいらっしゃいます。
    手術後の目薬は、術後感染症の予防などのため、大変重要です。それと比較すると、ほとんどの目薬の重要度は低くなります。

    一方、緑内障で目薬がないと眼圧が上がってしまう、などの場合、一部の目薬を継続することもあります。

    手術が決定した際、ご心配であれば確認いただければ幸いです。
    よろしくお願い致します。

    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』

    今回は、手術後の視力についての説明です。

    まず初めに、白内障手術の安全性はかなり高いものの、ごくまれに感染症などの重篤な合併症が生じることがあります。その場合、視力が低下することもあります。そのため、手術は視力改善を100%保証するものではありません。

    次に手術が無事終わった場合です。
    手術後の視力は、目の他の部分(角膜、網膜、視神経など)の機能に影響されます。
    他の部分が問題なければ、良好な視力が期待できます。しかし、白内障以外の病気(角膜混濁、緑内障、黄斑変性、網膜剥離などなど)があると、それらは白内障手術をしても治らないため、手術後の視力が改善しないこともあります。

    また、白内障手術をする方は高齢者が多いためか、検査上明らかな異常がないにも関わらず、なぜか視力が改善しない場合があります。

    最後に、手術後に視力は明らかに改善しているにも関わらず、
    「手術しても視力が改善しない」
    と言う方がまれにいます。
    原因は個々で異なりますが、手術前の視力が比較的良かった方、手術に対する期待値が高すぎる方に多い印象があります。

    以上を踏まえたうえで、最初の質問
    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』
    の答えは、
    『やってみないとわからない』
    という、あいまいな言い方になってしまいます。

    『白内障手術後の生活制限は?』

    今回は、白内障手術後の生活制限のお話です。
    特に洗髪洗髪、運動や水泳、運転について説明していきます。

    手術後の一番の懸念事項は術後感染症です。
    頻度は0.1%(1000人に1人程度)と非常に低いのですが、失明などの重篤な視力障害が生じる恐れがあります。

    この術後感染症予防に、水が眼内に入るのを防ぐ必要があります。水が眼内に入る行為として、洗顔洗髪や水泳、運動などが挙げられます

    洗顔洗髪ですが、手術後四日間程度できません。
    洗顔のかわりに、汗拭きシートや絞ったタオルなどをご利用ください。
    洗髪は、美容院で上向きの状態で洗うのは可能です。(理容室は下向きなのでダメです)また、水のいらないシャンプーは可能です。(薬局に売ってます)

    水泳は1ヶ月禁止です。
    運動ですが、ウォーキング、ストレッチなどの軽い負荷なら、一週間で可能です。
    一方、汗だくになるような激しい運動、負荷の大きい運動は、水泳と同じく1ヶ月程度控えた方がよいです。

    運転は、術後視力の出方により異なります。
    手術翌日から良好な視力が出た場合、翌日から運転は可能です。しかし、見え方に慣れるまで、生活をしながら少し様子をみた方が安全です。
    一方、視力回復に一、二週間かかる場合もあります。また、眼鏡を新しくする必要が生じることもあります。その場合、運転が出来るまで、少しお時間がかかります。
    以上より、運動はいつから可能か、個人差が大きいため、念のため手術後しばらくは運転するご用事は入れないのが無難です。

    一方、テレビやパソコン、スマホを見るなどの、目を使う作業は翌日から可能です。
    その他に関しては、基本的に制限はないのでますが、こちらの想定していないこともあるかもしれませんので、手術が決まった際に質問して頂ければと存じます。

    成熟白内障って何?

    成熟白内障とは、白内障が進行しすぎて、水晶体が真っ白もしくはまっ茶色に濁ってしまった白内障を言います。矯正視力は0.01未満と、ほぼ失明状態のことも少なくありません。
    通常の白内障の手術は、比較的短時間で安全にできますが、成熟白内障では、手術が困難なことが多いです。そのため、手術時間が長くなり、合併症のリスクが高くなります。
    さらに、成熟白内障では、目の奥である眼底が見えないため、網膜や視神経などに病気があるかどうか、手術前にはわかりません。そのため、術後に視力がどれくらい改善されるのか、手術前に予想することが困難です。

    以上、まとめると、成熟白内障では、
    ①手術のリスクが高い
    ②術後視力が予想できない
    という問題があります。そのため、成熟白内障まで進行する前に白内障手術をすることをオススメしています。

    そもそも白内障は、徐々に進行する病気のため、定期的に眼科通院をしていれば、成熟白内障になるまで放置されることはまずありません。しかし、様々な理由で眼科受診が遅れることで、成熟白内障まで進行してしまうケースがあります。
    そこで、予防策としては、眼科の定期的な通院と適切な時期に手術をすることが挙げられます。

    特に60歳過ぎて、見えにくい、かすむ、などの視力低下を感じたら、我慢せずに一度眼科へ受診してみてください。

    白内障手術とセンチュリオン

    白内障手術では、白く濁った水晶体を超音波で砕き、小さくしながら吸引していきます。
    ここで使用する機械を
    『フェイコマシーン』
    と言います。
    白内障手術の中で、この部分で一番トラブルが起きやすく、特に白内障が進行した症例では、難しくなります。そのため、フェイコマシーンの性能が、白内障手術に多大な影響を及ぼします。

    私はいままで、ずっとアルコン社の歴代フェイコマシーンを使用していました。
    私が眼科医になった20年前は、『マレニアム』や『アキュラス』でした。当時はかなり普及したので、40歳以上の眼科医なら、一度は使用したことがあるかと思います。
    これらのフェイコマシーンでは、非常に進行した成熟白内障には歯が立ちません。そのため、そのような症例では、水晶体嚢外摘出術という、目の上半分を切開し、水晶体を丸ごと取り除く手術を行っていました。

    次に、いまから10年ちょっと前に、『インフィニティ』が登場しました。
    こちらは、前の二つとは格段に性能が良くなっており、感動したのを覚えています。成熟白内障でも対応可能となったので、インフィニティの登場以降、嚢外摘出術は一度も行っていません。
    とはいえ、水晶体を破砕するのに非常に時間がかかるうえに、途中で詰まってしまうこともしばしばでした。そのたびにハンドピースに水を通したり、チップを変えたりと、結構大変でした。

    そして、5年ほど前に、ついに『センチュリオン』が登場しました。
    こちらは、破砕力がさらに強力になっており、成熟白内障ですら、ほとんどストレスなく対応できるようになりました。しかも、今までさんざん術者を困らせた詰まりもまったくありません。

    手術が無事にできているのは、自分のテクニックのおかげ・・・ではなく機器の進歩のおかげだと、感謝しながら手術する日々です。