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  • 月: 2022年5月
  • 『白内障の手術は、いつやるべきですか?』

    今回は手術のタイミングについてのお話です。

    基本的な手術のタイミングは、
    「ご本人が不便を感じて、手術をしたくなった時」
    となります。

    ただ、この説明だけだとわかりにくいので、具体的な視力の数値で説明していきます。
    免許更新には矯正視力0.7、新聞などの文字を読むには矯正視力0.5程度が必要です。
    それを参考にすると、車の運転をされる方は0.7、日常生活を営むには0.5を下回ると手術適応と言えます。

    一方、そこまで視力が悪くない場合でも、生活に支障がでていれば、手術適応にはなります。しかし、あまり視力が良いうちに手術をすると、手術は問題なく、術後視力も良好にも関わらず
    「思ったよりよくない」
    「もっとよく見えるようになると思っていたのに」
    などの不満が出ることが少なくありません。

    白内障は基本的にゆっくりと進行します。そして、手遅れになって手術ができない、ということはほとんどありません。そのため、すでに白内障が相当進行している場合や、進行が急激な場合を除き、医学的に手術の緊急性は高くありません。

    以上より、当院では、白内障手術はご本人のご希望があった時にやる、を原則としており、手術を強要することはありませんので、ご安心下さい。

    『緑内障があっても白内障手術できますか?』

    白内障、緑内障ともに、加齢により増える疾患です。そのため、白内障手術を希望される方で、緑内障の治療もされていることがあります。

    ほとんどの緑内障のタイプでは、通常の白内障手術と同じように手術できます。
    ただし、閉塞隅角緑内障などの一部の緑内障のタイプでは、手術が難しいことがあります。また、手術後に眼圧が高くなり、眼圧のコントロールに苦慮することもあります。

    一方、手術後の視力ですが、予測が難しいことがあります。
    白内障手術をしても、緑内障が治るわけではないため、緑内障による視力視野障害は残ります。そのため、緑内障の状態により、手術後の視力が変わってきます。
    緑内障が軽度の場合は、手術後比較的良好な視力が期待できます。
    一方、緑内障が重度の場合、手術をしても視力が改善しないこともあります。

    ただし、白内障と緑内障が両方ある場合、どちらがどれくらい視力に影響しているかを正確に判断するのは困難です。
    そのため、緑内障のある方の白内障手術において、
    『手術後、どれくらい見えるようになりますか?』
    という質問に対しては、
    『いまよりよくなることを期待しているが、どれくらいよくなるかはやってみないとわからない』
    というお答えとなります。
    ご理解の程、よろしくお願い致します。

    『糖尿病があるのですが、白内障手術はできますか?』

    今回は、『白内障手術と糖尿病』のお話です。

    まず、糖尿病は白内障を悪化要因とされています。
    実際、糖尿病がある方で、白内障の進行が早い方がいらっしゃいます。ただし、白内障は加齢性変化のため、60歳以上の方の場合、白内障の進行が糖尿病のためか年齢のためか、鑑別することは困難です。

    白内障手術が可能かどうかを判断するために、眼科ではHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を主に参考にします。

    外科などでは、
    『A1Cが7.5%以下であれば手術は可能』
    とされています。そのため、この基準を満たせば、白内障手術は可能と判断できます

    また、A1Cが7.5以上の場合でも、白内障手術は低侵襲のため手術は可能とも言われおります。
    しかし、血糖値が高いと、手術後に糖尿病網膜症の悪化、感染や炎症の増悪などのリスクが高くなります。
    そのため、もし今後糖尿病が改善する見込みがあり、白内障手術を急ぐ必要がない場合は、まず糖尿病のコントロールをしっかりとしてから、手術を行うのがベストです。
    一方、「白内障で視力が非常に悪く、日常生活が困難」や、「今後も糖尿病が改善する可能性が低い」などの理由から、手術を先延ばしすることが難しい場合もあります。その場合は、糖尿病のコントロールがあまりよくない状態でも、そのまま手術を行うこともあります。
    ただし、手術のリスクが高いことを理解していただく必要があります。

    日頃から、しっかりと糖尿病のコントロールをしておきましょう。

    『白内障手術するとまぶしさは取れますか?』

    白内障の症状の一つに、「まぶしい」があります。
    これは、白内障のにごった部分に光が乱反射することが原因と言われています。これは、特に白内障の初期に多い症状です。

    一方、白内障手術後、まぶしさを訴える方がいます。これは、白内障の濁りが取り除かれるため、光の入る量が増えるためです。

    そのため、白内障手術により、白内障を原因とするまぶしさは改善されますが、代わりに手術によるまぶしさがでてくることがあります。
    結果として、手術でまぶしさが改善する方がいる反面、手術によりまぶしさが悪化したと感じる方もいます。
    そのため、白内障によるまぶしさを取ることを目的として、手術することはお勧めしておりません。あくまでも手術は、白内障による視力低下を改善することを目的として、まぶしさが取れればラッキーと考えるくらいがちょうどいいと思います。
    まぶしさを軽減するためには、サングラスやUVカットの眼鏡の使用で対応していきます。

    『白内障は放置するとどうなるの?』

    白内障は、通常ゆっくりと進行していきます。通常は、ある程度進行したところで手術をするのですが、手術せずに放置していると、最終的に
    『成熟白内障』
    になってしまいます。
    『成熟白内障』とは、白内障が進行しすぎて、水晶体が真っ白もしくはまっ茶色に濁った白内障を言います。矯正視力は0.01以下と、重篤な視力障害を来します。
    通常の白内障の手術は、比較的短時間で安全になっています。
    しかし、成熟白内障の場合、白内障が硬くて、視認性が悪くなるため、手術が困難です。そのため、手術時間が長くなり、合併症のリスクが高くなります。
    さらに、成熟白内障では、目の奥である眼底が見えないため、網膜や視神経などに病気があるかどうか、手術前にはわかりません。そのため、術後に視力がどれくらい改善されるのか、手術前に予想することができませn。

    以上、まとめると、成熟白内障では、
    ①手術のリスクが高い
    ②術後視力が予想できない
    という問題があります。
    そのため、成熟白内障まで進行する前に、白内障手術をすることをオススメしています。
    白内障は、徐々に進行する病気のため、定期的に眼科通院をしていれば、成熟白内障になるまで放置されることはまずありません。

    特に60歳過ぎて、見えにくい、かすむ、などの視力低下を感じたら、一度眼科へ受診してみてください。

    『白内障手術後の生活制限は?』

    今回は、白内障手術後の生活制限のお話です。
    特に洗髪洗髪、運動や水泳について説明していきます。

    手術後の一番の懸念事項は術後感染症です。
    頻度は非常に低いのですが、失明などの重篤な視力障害が生じる恐れがあります。

    この術後感染症予防に、水が眼内に入るのを防ぐ必要があります。水が眼内に入る行為として、洗顔洗髪や水泳、運動などが挙げられます

    洗顔洗髪ですが、手術後四日間程度できません。
    洗顔のかわりに、汗拭きシートや絞ったタオルなどをご利用ください。
    洗髪は、美容院で上向きの状態で洗うのは可能です。(理容室は下向きなのでダメです)また、水のいらないシャンプーは可能です。(薬局にて購入できます)

    水泳はリスクが高いため、1ヶ月程度禁止です。
    運動ですが、ウォーキング、ストレッチなどの軽い負荷なら、一週間で可能です。
    一方、汗だくになるような激しい運動、負荷の大きい運動は、水泳と同じく1ヶ月程度控えた方がよいです。

    一方、テレビやパソコン、スマホを見るなどの、目を使う作業は翌日から可能です。
    その他に関しては、基本的に制限はないのですが、こちらの想定していないこともあるかもしれませんので、手術が決まった際に質問して頂ければと存じます。

    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』

    今回は、手術後の視力についてのお話です。

    まず初めに、白内障手術の安全性はかなり高いものの、ごくまれに感染症などの重篤な合併症が生じることがあります。その場合、視力が低下することもあります。そのため、手術は視力改善を100%保証するものではありません。

    次に手術が無事終わった場合です。
    手術後の視力は、目の他の部分(角膜、網膜、視神経など)の機能に影響されます。
    他の部分が問題なければ、良好な視力が期待できます。しかし、白内障以外の病気(角膜混濁、緑内障、黄斑変性、網膜剥離などなど)があると、それらは白内障手術をしても治らないため、手術後の視力が改善しないこともあります。

    以上より、白内障手術後の視力は、
    『手術後視力が改善することを期待しているが、最終的にはやってみないとわからない』
    という、あいまいな言い方になってしまいます。
    ご理解のほど、よろしくお願い致します。

    『白内障手術後、いま使っている目薬はどうすればよいですか?』

    白内障手術後は、3種類の目薬を使用します。
    そのため、普段から使用している目薬を一緒に使うと、4種類以上となってしまいます。目薬の種類が多いと、本来やるべき手術後の目薬をやっていなかったり、回数が少なかったり、左右間違えて使用していたりと、間違える方が少なくありません。
    そのため、当院では手術後、他の目薬は『原則中止』としております。

    普段使用している目薬をやめることを心配する方もいらっしゃいます。
    しかし、手術後の目薬は、術後感染症の予防など、大変重要です。それと比較すると、ほとんどの目薬の重要度は低くなります。

    一方、緑内障などで目薬を継続することもあります。

    手術が決定した際、個々の状況に応じて決定していきます。
    よろしくお願い致します。

    『白内障手術、片目だけやるか、両目かともやるか?』

    白内障手術に際し、悪いほうの目だけでいいか、それとも両目とも手術したほうがいいか、というご相談をよく頂きます。

    まず、両目手術のメリットですが、
    ・術後の左右のバランスがよい
    ・ピントの位置を自由に選ぶことができる
    ・眼鏡を早く作成できる
    ・検査などが一度で済む
    ・同じ月だと、限度額により、自己負担額が安くなる
    などが挙げられます。

    両目ともある程度白内障が進行している場合、いずれ両目とも手術することになるため、両目とも手術をしたほうが、メリットは大きいと考えます。

    一方、片目のみ白内障が進行しているが、他目は比較的視力良好の場合は、視力や度数の左右差などを考慮したうえで、片目か両目かを相談して決定します。

    判断はそれぞれの目の状態によって変わってきますので、迷ったら一度ご相談頂ければ幸いです。