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    白内障手術 まにあっく編 その2

    今回は、白内障手術における超音波乳化吸引術についてです。

    12ミリある水晶体を、そのまま2ミリ強の小さな切開創から取り除くことはできません。そのため、水晶体を小さくする必要があります。そこで、超音波で水晶体を砕き、小さくなった水晶体を吸引していきます。それが超音波乳化吸引術です。

    分かりやすく例えると、大きな岩をドリルで砕き、小さくしたかけらをホースで吸い取る、と言ったところでしょうか。実際に、そんな作業をすることは人生で一度もないでしょうが・・・。
    そして、岩が硬くなると、ドリルではびくともしなくなり、砕くのが困難になりそう、とイメージできるかと思います。

    白内障が進行するほど、水晶体は硬くなっていきます。そして、末期の成熟白内障ともなると、硬い岩のようになります。

    20年くらい前の機器では、成熟白内障には歯が立ちませんでした。そのため、成熟白内障に限っては、12ミリの切開創で水晶体ごと取り除くような手術をしていました。すでに、切開創は3ミリ程度が主流となっていたので、この手術をする前日は、ストレスで胃が痛くなったのを覚えています。

    10年くらい前に新しい機器が登場しました。これだと、成熟白内障の硬い水晶体にも太刀打ちできるようになりました。それでも、破砕するのに時間がかかるうえ、頻繁に詰まって手術が中断されるなど、ストレスの多い手術でした。

    現在の機器は、破壊力が格段にアップしたうえ、つまることがまったくありません。そのため、手術時間も大幅に短縮され、術者のストレスも軽減されました。おかげで、成熟白内障の手術前日も、ぐっすり眠れるようになりました。

    センチュリオンの開発に携わったアルコン社の方々、ありがとうございます。