白内障手術とこだわり器具 その4
2020年10月15日
白内障手術のこだわり器具シリーズ第四弾は
『プリセット式眼内レンズ』
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズという、コンタクトレンズのような特殊なレンズを目の中に挿入します。
眼内レンズは直径約6ミリです。
昔は、眼内レンズをそのまま挿入していたため、目を7ミリ程度切開する必要がありました。
その後、半分に折り畳める眼内レンズが登場しました。これにより、切開も半分の3.5ミリ程度と小さくなりました。
さらに、インジェクターが登場しました。インジェクターに眼内レンズを入れると、挿入時に自動的に眼内レンズが折り畳まれます。
インジェクターの進歩により、切開は年々小さくなり、今では2ミリ程度で挿入可能となりました。
またメリットとして、挿入時に切開創などに触れることがないため、感染対策にもなります。
しかし、デメリットとしては、インジェクターにセットするとき、うまくできないと挿入時にロケット発射や眼内レンズにヒビが入るなどのトラブルが出るとこがあります。
また、セット時の菌の迷入の可能性もあります。
そこで登場したのが、プリセットです。
これは、すでにインジェクターに眼内レンズがセットされています。これにより、セッティングに伴うトラブルはほぼなくなりました。また、感染リスクもさらに減少していると思われます。
プリセットの登場時は、小切開からの挿入ができなかったのですが、最近ではインジェクターと同様の2ミリ程度の切開創から挿入可能となりました。