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  • カテゴリー: 開業日記
  • 開業日記 エピソード19

    「それらの駅周辺で、新規開業予定があります。」

     

    色々な人に連絡をし、現状を説明したところ、すでにその駅周辺で新規開業の予定があるという情報をいただきました。

    まさかの新規開業かぶり、しかもなんと3件とも・・・。

     

    当時は半信半疑でしたが、2020年現在、実際に3駅とも新規開業しております。

    さらに恐ろしいことに、うち2駅では、わずか1年のうちに、新規開業が2件重なっていました。こうなると、ビジネス用語をかっこよく使うと、ブルーオーシャンからレッドオーシャン、日本語でベタに言うと天国から地獄です。

    開業する人たちは同じところを狙っている、という事実を思い知らされました。また、開業ラッシュとは聞いていましたが、改めて肌で感じました。

     

    そんなわけで、3つの物件の担当者に、それぞれお断りの連絡をしました。

    すると、3人中2人は、それまで「先生、先生」とあれだけ下手に出ていたのに、お断りの連絡をした途端、返信すらしません。人間、こういう時に本性が出るものです。

     

    そんな中、業者I社だけは丁寧に返信してくれました。

    そして、このI社こそ、今後の開業のカギを握るところとなります。

     

    続く

     

    開業日記 エピソード18

    ネットで物件探しを始めたところ、探している駅で、いくつかの物件を発見しました。

    そこで、担当会社へ連絡していきました。しかし、多くの物件で、すでに契約が決まっているから、他の物件はどうでしょうと言われました。よい物件をわざと残しているのか、ずぼらでネットの更新が遅いのか。どちらにせよ、ネットの情報はタイムリーでない、という問題が浮き彫りになりました。

     

    それでも、3つの物件が残りました。

    それらはすべて医療モール物件で、それぞれ違う薬局系会社が担当していました。そして、開業の際、担当の薬局系会社がそのままコンサルタントもやってくれるとのことでした。一人で行動していた私には、ありがたいお話でした。

    どこも一長一短で、ピンとくる1件はなかったのですが、とりあえず開業はできそうかな、と感じていました。

     

    ここで、改めて開業活動を再開した報告を兼ねて、前回お世話になった業者や先輩などに連絡し、今回の物件について相談しました。すると、驚きの事実が判明するのでした。

     

    続く

     

    開業日記 エピソード17

    作成した診療圏調査データベースの中から、患者数の多かった上位10駅を選び、物件探しを始めることにしました。

     

    「物件は足で探せ」

     

    ということで、まずはそれぞれの駅の不動産屋を回ることにしました。駅前にある不動産屋にかたっぱしから行きました。希望にそう物件がないか確認してもらい、なければ名刺を渡し、物件が出たら連絡してもらうようにお願いしました。しかし、不動産屋はほとんど住居用賃貸物件しか扱っておらず、30件程度回って、物件を1つ紹介されたのみでした。

     

    歩き回って疲れるうえ、不動産屋に冷たくあしらわれ、体力的にもメンタル的にも非常にきつい作業でした。そのうえ、効率がこの上なく悪い。

    ある日、不動産屋めぐりをする予定にしていましたが、精神的にどうしても不動産屋へ入ることができず、駅周辺でブラブラしながらポケモンを捕まえて1日が終わってしまいました。

     

    さすがにこれの方法は無理と断念し、物件探しをパソコンで行うことに決めました。

    この決定により、運命的に谷塚駅に出会うことになるのですが、それはもう少し先の話です。

     

    続く

     

    開業日記 エピソード16

    前回のあらすじ

    先輩に診療圏調査の方法を教えてもらった私。その特殊能力を使って、その後の運命を大きく左右するプロジェクトを思いつきます、それはいったい・・・?

     

    「各駅の診療圏調査のデータベース作成」

     

    それぞれの駅前に開業したと仮定して、駅ごとに予測患者数を計算し、データをまとめることにしました。

    通勤できる範囲を決め、その各沿線につき、範囲内ののすべての駅に対し行いました。例えば、総武線の市川駅から千葉駅までのすべての駅、など。

    多少面倒ですが、一人で作業できる単純作業のため、前回の件で人間不信になっていた私にはまさにピッタリでした。

     

    そして、1か月かけて、東京、埼玉、千葉の通勤可能な範囲のデータベースが完成しました。これをみると、どの駅が穴場で、どこが激戦区か、一目瞭然です。それまで、モヤモヤしていたキリが晴れるような感覚で、我ながらすごいものを作った、と興奮しました。この最強ウェポンを引っ提げて、改めて開業活動をスタートさせることになります。

     

    ただし、当時、このデータベースに肝心の「谷塚駅」は入っていませんでした。

     

    続く

     

    開業日記 エピソード15

    今回はお勉強のお話です。

    興味がない方は、今回の分は読み飛ばしてもストーリー的には問題ないようにするので、ご安心ください。

     

    では始めます。

    診療圏調査は、1日の患者数を推定する調査です。そう聞くと、なんだか小難しそうですが、式にすると、たった3つの数字から計算できます。

    1日患者数=受療率×年齢別人口÷競合クリニック数

     

    受療率とは、年齢別(0-14歳、15-64歳、65歳以上)に1日あたり10万人中何人がその科に受診するか、という数値です。これは、厚生労働省が公表しているデータです。それに、年齢別人口(0-14歳、15-64歳、65歳以上の各人口)をかけます。

    この数字を競合するクリニック数で割ると、あら不思議、一日の予測患者数がでてきます。

     

    受療率と競合クリニック数は決まった数なので、コントロールできません。一方、年齢別人口は、診療圏範囲、つまり何キロ以内の患者が受診するかの範囲の設定の仕方で、大きく変わってきます。例えば、同じ場所で診療圏範囲を1キロと2キロで比べた場合、距離が倍だと面積は4倍、すると人口も4倍になり、患者数も4倍になります。

    1キロと2キロ、歩くと遠いですが、地図上で見ると、誤差範囲です。

     

    そして、A氏とS社の結果の違いも、この診療圏範囲の設定が主な原因であることがわかりました。

     

    通常、この診療圏調査は、候補物件がいくつか出てきた時点で業者にお願いします。しかし、時間がかかるため、あまり多くの物件で調査をお願いすることができません。そのため、数件の候補物件に対して診療圏調査をし、その中で一番結果のよい物件を選ぶことになります。しかし、全部はずれである可能性も否定できません。また、大まかなエリアの選別にも使えません。

    そこで、診療圏調査のやり方を教わり、自分で調査できるようにしました。

    この特殊能力を手に入れた私は、その後の開業活動を大きく動かすことになる一大プロジェクトに取り組むことになります。

     

    続く

     

     

     

    開業日記 エピソード14

    2016年9月、再び開業活動を始めることにしました。

    周りに協力者もなく、またゼロからの出発です。

     

    再開にあたり、まずは前回の物件が本当に良い物件であったか、について考えることから始めました。これを検討しておかないと、今後別の場所で開業し、なにかうまくいかないことがでてきたときに、

    「あの物件で開業しておけばよかった」

    と一生後悔しそうな気がしたからです。

    物件の良し悪しを予測する手段がないか、考えました。その結果、“診療圏調査”が唯一の方法であるという結論にたどり着きました。

     

    前回の物件での問題のひとつは、A氏の診療圏調査の結果では患者数1100人だったのに対し、S社の結果が130人と、大幅に数が違っていたことでした。このあたりに、なにか重大なポイントが隠れていると感じ、診療圏調査の勉強から始めることにしました。

     

    続く

     

     

    開業日記 エピソード13

    開業活動を始めてからは、通常の勤務の後に誰かと夜までミーティング、帰宅してメールの山をチェックし返信、という超多忙だった日々でした。しかし、今回の開業話が流れた後、「先生、先生」と言って近寄ってきた多くの大人たちがいなくなりました。

     

    人間不信に陥り、心に穴が開いたまま、目の前の業務を淡々とこなし、開業に関することは一切やりませんでした。

     

    気が付けば、季節は猛暑だった夏から秋へ変わっていきました。涼しい風が秋の香りを運んでくる頃、私のなかで、このような気持ちが沸き上がってきました。

     

    「安西先生、俺、開業が・・・したいです・・・」(スラムダンクより)

     

    続く

     

    開業日記 エピソード12

    運命の日 後編

     

    そして、A氏へ再度電話し、第一声

     

    私「この開業、やめさせていただきます。」

    A氏「いまさら何を言っているんですか。みんな先生のためにがんばっているんですよ。もう、私が謝っただけではすまされませんよ。」

    私「全責任は私が持ちますので、もう結構です。」

     

    こうして、A氏との開業活動は幕を閉じました。

     

    その後、今回の件に関与したすべての方々に謝罪の連絡をしました。

     

    その中で判明したのですが、A氏は私の知らないところで、契約日をはじめとした様々な段取りを行っていました。また、そのやり方も巧妙で、例えば内装業者に

    「何日、物件の調査お願いします。その日は、先生も同席します。」

    とアポイントを取っていました。このような言い方をすることで、先方は私がこの件につき了承していると、当然考えます。ところが、私はその日程を聞いておらず、さらに、その日は外来があり、そもそも行けない日程なのです。

    A氏は、オーナーや業者たちに、同様のやり口で、私が指示しているように見せかけて、勝ってに様々な段取りを組んでいたようでした。

     

    皆さんのお話をまとめると、A氏は、このような嘘を積み重ねて緻密なスケジュールを組んでいました。しかし、A氏としては予定外にS社の話やリーガルチェックなどが入り、スケジュールが崩れました。すると、嘘を積み重ねたために、私や業者に事情を説明し修正ができなくなり破綻した、と推測しています。

     

    信頼していた人間に裏切られ、人間不信になった私は、ステージ上でマイクを置いて、こう言いました。

     

    「私、普通の勤務医に戻ります。」(百恵ちゃん風)

     

    続く

    開業日記 エピソード11

    運命の日 中編

     

    リーガルチェックの結果は、難解でボリュームが多すぎて、こちらでかみ砕いてオーナーと協議することは困難と判断しました。そこで、今回の結果をそのままオーナーに提出したうえで話し合いたい、とA氏に提案しました。すると、予想外の反応が返ってきました。

     

    「そんなことしたら、この開業の話、潰れますよ」

     

    A氏は、リーガルチェックはその内容を理解し、それを踏まえて不利益にならないよう気を付けましょう、というような趣旨の話をしていました。しかし、今回ばかりは私は主張を曲げず、A氏は結果をそのまま送ることに、しぶしぶながら同意しました。

    そして、いったん電話を終了しました。

     

    もはや一人では抱えきれなくなった私は、先輩Y先生に相談の電話をしました。そして、あの伝説のアドバイスをいただきました。

     

    「うまくいくときは、びっくりするくらいすんなりいくもんだよ。今回は縁がなかったんじゃない」

     

    その言葉を聞いて、ついに決意が固まりました。

     

    運命の日 後編へ続く

     

    開業日記 エピソード10

    運命の日 前編

     

    201687

    この奇跡の物語は、1通のメールから始まります。

     

    「リーガルチェック終わりました。」

    ここで、ついにリーガルチェックの登場です。

    早速メールを開け、内容を確認したところ、目を疑いました。

     

    そこには、契約書の中で、貸主に極端に有利な部分や、定義があいまいな部分などの指摘が、数十項目にわたり、びっしりと羅列されていました。これを読むだけでかなりの時間を要しましたし、読んでも内容をほとんど理解できませんでした。

    人生初のリーガルチェックだったので、指摘が適切なのかどうか、また、量が多いのか、普通なのか、私には判断できませんでした。しかし、これを読んでいると、悪徳業者が消費者をだます例のヤツ、という印象を受けました。

     

    同様のメールは、すでにA氏にも送られており、すでに読んでいるものと思われます。

    意を決してA氏に電話しました。

     

    運命の日 中編へ続く