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  • カテゴリー: 白内障手術
  • 白内障手術とプレチョップ法

    白内障手術では、濁った水晶体を4つに分割し、それらをさらに超音波で細かく砕いて吸引して取り除きます。
    水晶体は丸いので、ホールケーキを四等分する様に、十字に切っていきます。

    この分割する工程が、白内障手術の中でも難しく、トラブルが起きやすい操作となっています。そのため、術者としては、いつもストレスのかかる瞬間でした。

    この操作を安全で安心して出来る方法はないものか、と探していたときに出会ったのが
    『プレチョップ法』
    でした。

    10年ほど前に初めて見た、プレチョップ法のオペ動画は衝撃的でした。あれだけ苦労していた分割を、いとも容易く、しかも美しく行っていました。

    当時、周りでプレチョップ法をしているドクターがいなかったので、手術器具を自前で購入し、動画を頼りに独学で習得しました。独学で苦労し、完成に五年もの月日がかかりました。そして、完成した暁に、開業することにしました。

    開業後、予想に反して難しい手術が多くて驚いていますが、プレチョップ法のおかげで、大きなトラブルもなく、手術出来ております。

    プレチョップ法に携わった方々には、感謝しかありません。

    『白内障手術の超音波乳化吸引術って何?』

    今回は、白内障手術における超音波乳化吸引術についてです。
    12ミリある水晶体を、そのまま2ミリ強の小さな切開創から取り除くことはできません。そのため、水晶体を小さくする必要があります。そこで、超音波で水晶体を砕き、小さくなった水晶体を吸引していきます。
    これが超音波乳化吸引術です。

    分かりやすく例えると、大きな岩をドリルで砕き、小さくしたかけらをホースで吸い取る、というイメージです。
    そして、もし岩がものすごく硬いと、ドリルではびくともしなくなり、砕くのが困難になりそう、と想像できるかと思います。

    白内障は進行するほど、水晶体は硬くなっていきます。そして、末期の成熟白内障ともなると、岩のように固くなることもあります。
    20年くらい前までの機器では、成熟白内障の硬さに歯が立たないことが多かったです。そのため、成熟白内障に限っては、12ミリの切開創で水晶体ごと取り除くような手術をしていました。

    現在の機器は、破壊力が格段にアップし、ほぼすべての成熟白内障でも対応可能となりました。そのため、ここ10年は、切開創の大きい手術はまったく必要なくなりました。

    それに伴い、手術時間も大幅に短縮され、術者のストレスも軽減されました。

    開発に携わった方々、ありがとうございます。

    『白内障手術後、いま使っている目薬はどうすればよいですか?』

    白内障手術後は、3種類の目薬を使用します。

    そのため、普段から使用している目薬を一緒に使うと、4種類以上となってしまいます。
    目薬の種類が多いと、本来やるべき手術後の目薬をやっていなかったり、回数が少なかったり、左右間違えて使用していたりと、間違える方が少なくありません。
    そのため、当院では手術後、他の目薬は『原則中止』としております。

    普段使用している目薬をやめることを心配する方もいらっしゃいます。
    手術後の目薬は、術後感染症の予防などのため、大変重要です。それと比較すると、ほとんどの目薬の重要度は低くなります。

    一方、緑内障で目薬がないと眼圧が上がってしまう、などの場合、一部の目薬を継続することもあります。

    手術が決定した際、ご心配であれば確認いただければ幸いです。
    よろしくお願い致します。

    恐怖の成熟白内障

    『難しい白内障手術の話』シリーズ

    成熟白内障とは、白内障が進行しすぎて、水晶体が真っ白もしくはまっ茶色に濁ってしまった白内障を言います。矯正視力は0.01未満と、ほぼ失明状態のことも少なくありません。
    通常の白内障の手術は、比較的短時間で安全にできますが、成熟白内障では、手術が困難なことが多いです。そのため、手術時間が長くなり、合併症のリスクが高くなります。
    さらに、成熟白内障では、目の奥である眼底が見えないため、網膜や視神経などに病気があるかどうか、手術前にはわかりません。そのため、術後に視力がどれくらい改善されるのか、手術前に予想することが困難です。

    以上、まとめると、成熟白内障では、
    ①手術のリスクが高い
    ②術後視力が予想できない
    という問題があります。そのため、成熟白内障まで進行する前に白内障手術をすることをオススメしています。

    そもそも白内障は、徐々に進行する病気のため、定期的に眼科通院をしていれば、成熟白内障になるまで放置されることはまずありません。しかし、様々な理由で眼科受診が遅れることで、成熟白内障まで進行してしまうケースがあります。
    そこで、予防策としては、眼科の定期的な通院と適切な時期に手術をすることが挙げられます。

    特に60歳過ぎて、見えにくい、かすむ、などの視力低下を感じたら、我慢せずに一度眼科へ受診してみてください。

    『白内障手術では、どれくらい切るの?』

    今回は、白内障手術における切開創の大きさについて、説明していきます。

    ずーっと昔は、水晶体をまるごと取り除いておりました。水晶体は、直径10ミリ程度あります。そのため、切開創は、水晶体より少し大きい12ミリくらいが必要でした。
    12ミリというと、黒目と白目の境目を上半分くらい切るようなイメージです。

    その後、超音波乳化吸引術という画期的な技術が登場しました。これは、水晶体を超音波で砕き、小さくした水晶体を吸い取る、というものです。この機器の登場により、切開創を大幅に小さくすることが可能となりました。

    すると、次は眼内レンズが切開創の律速段階となりました。
    眼内レンズは、直径6ミリ程度あります。これをそのまま入れようとすると、切開創は6.5ミリくらい必要でした。

    そんな中、二つに折りたたんで入れることができるという、画期的な眼内レンズが登場しました。これにより、切開創は4ミリで可能となりました。

    さらに、インジェクターが登場しました。
    これにより、筒状の入れ物に眼内レンズを折りたたんだ状態で入れることが可能となりました。さらに、インジェクターが進化しており、いまでは2ミリくらいの切開創で手術可能となりました。
    2ミリがいかに小さいかを体感するために、定規で2ミリを確認してください。

    切開創が小さくなったことで、『自己閉鎖』と言って、切開創が自然に閉鎖するようになりました。そのため、切開創を糸で縫う必要がなくなったことが、革命的でした。
    これにより、手術時間が大幅に短縮しました。また、糸による手術後の痛みもなくなりました。
    さらに、術後の視力回復も格段に早くなり、多くの方は手術翌日からベストに近い状態まで視力が出るようになりました。
    まさにいいことばかりです。

    超音波乳化吸引とインジェクターを開発した人たちに感謝しながら、手術をする今日この頃です。

    『緑内障があっても白内障手術できますか?』

    白内障、緑内障ともに、加齢により増える疾患です。
    そのため、白内障手術を希望される方で、緑内障の治療もされていることがあります。

    ほとんどの緑内障のタイプでは、通常の白内障手術と同じように手術できます。
    ただし、閉塞隅角緑内障などの一部の緑内障のタイプでは、手術が難しいことがあります。また、手術後に眼圧が高くなり、眼圧のコントロールに苦慮することもあります。

    一方、手術後の視力ですが、予測が難しいことがあります。
    白内障手術をしても、緑内障が治るわけではないため、緑内障による視力視野障害は残ります。そのため、緑内障の状態により、手術後の視力が変わってきます。
    緑内障が軽度の場合、
    緑内障が軽度の場合は、手術後比較的良好な視力が期待できます。
    一方、緑内障が重度の場合、手術をしても視力が改善しないこともあります。

    ただし、白内障と緑内障が両方ある場合、どちらがどれくらい視力に影響しているかを正確に判断するのは困難です。
    そのため、緑内障のある方の白内障手術において、
    『手術後、どれくらい見えるようになりますか?』
    という質問に対しては、
    『いまよりよくなることを期待しているが、どれくらいよくなるかはやってみないとわからない』
    というお答えとなります。

    『糖尿病があるのですが、白内障手術はできますか?』

    今回は、白内障手術と糖尿病につき、説明していきます。

    まず、糖尿病は白内障を悪化要因とされています。
    実際、糖尿病がある方で、白内障の進行が早い方がいらっしゃいます。ただし、白内障は加齢性変化のため、60歳以上の方の場合、白内障の進行が糖尿病のためか年齢のためか、鑑別することは困難です。

    白内障手術が可能かどうかを判断するために、眼科ではHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を主に参考にします。

    外科などでは、
    『A1Cが7.5%以下であれば手術は可能』
    とされています。そのため、この基準を満たせば、白内障手術は可能と判断できます

    また、A1Cが7.5以上の場合でも、白内障手術は低侵襲のため手術は可能とも言われおります。
    しかし、血糖値が高いと、手術後に糖尿病網膜症の悪化、感染や炎症の増悪などのリスクが高くなります。
    そのため、もし今後糖尿病が改善する見込みがあり、白内障手術を急ぐ必要がない場合は、まず糖尿病のコントロールをしっかりとしてから、手術を行うのがベストです。
    一方、「白内障で視力が非常に悪く、日常生活が困難」や、「今後も糖尿病が改善する可能性が低い」などの理由から、手術を先延ばしすることが難しい場合もあります。その場合は、糖尿病のコントロールがあまりよくない状態でも、そのまま手術を行うこともあります。
    ただし、手術のリスクが高いことを理解していただく必要があります。

    糖尿病による糖尿病網膜症目で視力低下が生じた場合、視力の改善は困難になってしまうため、日頃から、しっかりと糖尿病のコントロールをしておきましょう。

    『反対目が見えない場合、どうするの?』

    白内障手術をした後は、翌日の外来まで眼帯をする必要があります。しかし、反対目が見えない場合、良い方や目を眼帯してしまうため、生活に支障が生じます。

    そこで、当院では、透明眼帯を使用しています。今のところ、手術後からよく見えると、概ね好評です。

    ただし、手術直後の見え方は個人差があるため、家族などのサポート体制が不可欠です。そのため、一人暮らしの方など、生活に不安がある場合は、入院して手術を受けたほうが安心です。当院では日帰り手術のみで、入院ができないため、入院ができる病院へご紹介することも可能です。

    大切な目ですので、一度ご相談ください。

    『白内障手術するとまぶしさは取れますか?』

    白内障の症状の一つに、「まぶしい」があります。
    これは、白内障のにごった部分に光が乱反射することが原因と言われています。これは、特に白内障の初期に多い症状です。

    一方、白内障手術後、まぶしさを訴える方がいます。これは、白内障によるにごりを取り除き、光が入る量が増えるためです。

    そのため、白内障手術により、白内障を原因とするまぶしさは改善されますが、代わりに手術によるまぶしさがでてくることがあります。
    結果として、手術でまぶしさが改善する方がいる反面、手術によりまぶしさが悪化したと感じる方もいます。

    そのため、白内障によるまぶしさを取ることを目的として、手術することはお勧めしておりません。あくまでも手術は、白内障手術は視力低下を改善することを目的として、まぶしさが取れればラッキーと考えるくらいがちょうどいいと思います。

    まぶしさを軽減するためには、サングラスやUVカットの眼鏡の使用で対応していきます。

    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』

    今回は、手術後の視力についての説明です。

    まず初めに、白内障手術の安全性はかなり高いものの、ごくまれに感染症などの重篤な合併症が生じることがあります。その場合、視力が低下することもあります。そのため、手術は視力改善を100%保証するものではありません。

    次に手術が無事終わった場合です。
    手術後の視力は、目の他の部分(角膜、網膜、視神経など)の機能に影響されます。
    他の部分が問題なければ、良好な視力が期待できます。しかし、白内障以外の病気(角膜混濁、緑内障、黄斑変性、網膜剥離などなど)があると、それらは白内障手術をしても治らないため、手術後の視力が改善しないこともあります。

    また、白内障手術をする方は高齢者が多いためか、検査上明らかな異常がないにも関わらず、なぜか視力が改善しない場合があります。

    最後に、手術後に視力は明らかに改善しているにも関わらず、
    「手術しても視力が改善しない」
    と言う方がまれにいます。
    原因は個々で異なりますが、手術前の視力が比較的良かった方、手術に対する期待値が高すぎる方に多い印象があります。

    以上を踏まえたうえで、最初の質問
    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』
    の答えは、
    『やってみないとわからない』
    という、あいまいな言い方になってしまいます。