当院では、手術後に眼帯をします。
最近では、眼帯をしない施設も増えてきています。しかし、当院では80歳以上の方も多く、不意に目を触ってしまう可能性を危惧して、眼帯を続けております。
眼帯は、手術翌日の診察時に外します。その後、眼帯は必要ありません。また、当院では保護用ゴーグルも使用しておりません。
眼帯のため、手術当日と翌日は片目となります。片目だと立体感がわかりにくいため、転倒などに注意が必要です。特に、手術しない方の目が視力不良の場合、通院や生活に支障がでるため、事前に家族の方などに付き添いをお願いして頂ければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
普通免許では、矯正視力0.7以上が必要となります。
そのため、矯正視力が0.7以上出た時点で車の運転が可能となります。
白内障手術は安全性が高く、合併症などが起こる可能性はとても低くなっています。しかし、ごくまれですが、様々な合併症が生じて、視力が低下する可能性もゼロではありません。
また、手術後の視力は、角膜、網膜、視神経などの、目の他の部分の機能に依存します。白内障以外の病気があれば、手術は無事終わっても、視力が改善しないこともあります。
また、視力の回復する速度も人それぞれで、手術翌日から視力がばっちりでることもあれば、視力回復に1~2週間程度の時間がかかることもあります。
そのため、手術前に運転できる視力が出ると保障することすらできません。また、いつから運転できる視力がでるかを予測することもできません。
結論ですが、手術後運転可能になるかどうか、また、いつから運転できるかはわからないため、しばらくは運転する用事は控えて頂ければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
今回は、白内障手術 日帰りVS入院 のお話です。
まず、よしだ眼科は入院施設がないため、日帰りのみとなっています。
院長が以前勤務していた病院には入院施設があり、日帰りと入院がちょうど半分半分くらいでした。
それらの経験を踏まえて、今回は日帰りと入院のメリット・デメリットなどにつき、説明します。
まず、手術結果ですが、どちらも変わりありません。
そのため、医学的には白内障手術に入院は必要ないと考えております。
日帰りと入院の違いは、手術した日に家に帰るか、病院に泊まるか、の違いとなります。
日帰りのメリットは、余計な手間が必要ないことです。
外来と同じように受診し、手術をして、ご帰宅できます。当院での滞在時間は1~2時間程度です。
一方入院すると、手続きや泊まるための荷物の準備など、やるべきことがたくさんあります。さらに、初めての病院で緊張したり、ごはんが口にあわなかったり、隣の人のいびきがうるさくて寝れないなど、様々な問題が生じる可能性があります。
また高齢者ですと、入院により生活環境が変わることで、精神状態が不安定になり、認知症が進行することがあります。
日帰りでは、慣れた家に帰れるため、それらの心配はありません。
一方、入院のメリットは、手術前後の通院の必要がないことです。術後、眼帯をするため、片目になってしまいます。そのため、家が遠い、足が悪い、反対目が視力不良など、通院が困難な方に有用です。
また、夜中に痛みなど何かあったときの安心感があります。
ただし、白内障手術は痛みが出ることは少なく、夜間に緊急処置が必要となることはほとんどありません。しかも、入院施設でも夜間に眼科ドクターが常駐しているわけではないので、即時対応ができるところは少なく、結局は翌朝診察してからの対応となることがほとんどです。
というわけで、白内障手術は、まずは日帰りで手術することを前提として、様々な理由により日帰りでは難しい場合に、入院施設で行うことを検討する、という流れで検討いただければよいのではと考えております。
手術当日は、午後1時40分までに受診していただきます。
手術の準備として、目薬とキャップの着用を行います。その後、順番で手術を行います。
手術の順番は、目の状態などから、事前にこちらで決めさせていただいております。
手術時間は、10分程度です。ただし、手術の準備と片付けがあるため、手術室での滞在時間は20分程度です。
手術後は、会計して終了となります。
安全な準備のため、手術の方は同時刻にご来院頂いております。最後の方で、3時半頃に手術終了予定です。しかし、場合により終了時刻が遅れることがあります。
予めご了承ください。
白内障手術で、悪いほうの目だけで手術するか、それとも両目とも手術したほうがいいか、というご相談をよく頂きます。
まず、両目手術のメリットですが、
・同じ月だと、限度額により、自己負担額が安くなる
・術後の左右のバランスがよい
・ピントの位置を自由に選ぶことができる
・眼鏡を早く作成できる
・術前検査などが一度で済む
などが挙げられます。
両目ともある程度白内障が進行している場合、いずれ良いほうの目も手術することになるため、両目とも手術をしたほうが、メリットは大きいと考えます。
一方、片目のみ白内障が進行しているが、反対目は視力良好の場合、視力や度数の左右差などを考慮したうえで、片目か両目かを相談して決定します。
判断はそれぞれの目の状態によって変わってきますので、迷ったら一度ご相談頂ければ幸いです。
白内障手術をした後は、翌日の外来まで眼帯をする必要があります。しかし、反対目が見えない場合、生活に支障が生じます。
そこで、当院では、透明眼帯を使用しています。今のところ、手術後からよく見えると、概ね好評です。
ただし、手術直後の見え方は個人差があるため、家族などのサポート体制が不可欠です。そのため、一人暮らしの方など、生活に不安がある場合は、入院して手術を受けたほうが安心です。当院では日帰り手術のみで、入院ができないため、入院ができる病院へご紹介することも可能です。
大切な目ですので、一度ご相談ください。
今回は手術時期についてのお話です。
結論から言うと、適切な手術時期は、
「ご本人が不便を感じて、手術をしたくなった時」
となります。
視力で言うと、免許更新には矯正視力0.7以上の視力が必要となります。また、新聞などの細かな文字を読むには矯正視力0.5程度が必要です。
それを参考にすると、車の運転をされる方は0.7、日常生活を営むには0.5を下回ると、生活に支障がでてくる可能性があります。
ただし、不便を感じる程度は人それぞれで、視力0.5以下と低下していても、不便を感じない人もいます。 一方、そこまで視力は悪くないにも関わらず、生活に支障を感じる方もいます。
しかし、あまり視力が良いうちに手術をすると、手術は問題なく、術後視力も良好にも関わらず、
「思ったよりよくない」
「もっとよく見えるようになると思っていたのに」
などの不満が出ることが少なくありません。
白内障は基本的にゆっくりと進行します。そして、手遅れになって手術ができない、ということはほとんどありません。そのため、すでに白内障が相当進行している場合や、進行が急激な場合を除き、医学的に手術の緊急性は高くありません。
以上より、当院では、白内障手術はご本人のご希望があった時にやる、を原則としており、手術を強要することはありませんので、ご安心下さい。
白内障手術では、手術の時に目の中に移植する眼内レンズの度数により、近視や遠視などのピントの位置を調整することができます。
強度近視の場合、近視を軽くすることが可能で、近視をほぼ0にすることもできます。そのため、白内障のにごりを取ることによる視力回復だけでなく、近視矯正としてのメリットも大きく、手術後に喜ばれることが多いです。
しかし、強度近視の方で、片目のみ白内障が進行している場合、片目のみ手術をして近視を軽減させると、手術しないほうの目と度数の差が非常に大きくなってしまいます。そうなると、手術後に眼鏡での矯正が困難となり、不便が生じることが懸念されます。
そのため、強度近視で片目のみ白内障が進行している場合、
①両目手術する
②片目のみ手術する
③反対目も白内障が進むまで手術を我慢する
の3択となります。
①の両目手術する場合、左右差を気にせずに手術できるため、わかりやすいです。しかし、手術にはリスクを伴い、視力低下のない方の目を手術することに抵抗を感じる方も多いです。ただし、反対眼も同様に近視矯正されるため、メリットは大きいです。
②の片目のみ手術する場合、術後の左右差にどう対処するかを検討する必要があります。最も左右差を感じにくいのが、コンタクトです。しかし、コンタクトは24時間使用できないのが難点です。
眼鏡で矯正する場合、左右差が大きいと完全矯正が困難です。そのため、通常は手術した目を中心とし、反対目は低矯正にしてバランスを取ります。
しかし、どうしても度数の左右差に適応できない場合、早めに反対目も手術する必要が出てきます。
③反対目も近いタイミングで進行し、両目視力低下してから手術、が一番分かりやすいです。ただし、片目だけどんどん進行するにも関わらず、反対目は良好な視力を数年キープするケースも少なくありません。どこまで待つかは、迷うところです。
どの方法がよいかは、個人差が大きいので、手術のタイミングを慎重に検討し、手術をする際には、手術のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。
白内障手術を希望の場合、手術までに4回の受診が必要となります。
①まず、外来に受診して頂き、診察したうえで、手術することが決定となります。
そして、手術の日程を決める『日程決定』の日を決定します。
②『日程決定』では、手術の大まかなお話をしたうえで、手術の日程を決定します。手術は月・木午後となります。さらに、手術日程より逆算して、『術前検査』と『術前説明』の日程もそれぞれ決定します。
③『術前検査』では、手術時に挿入する眼内レンズの度数を決定する検査など、手術に必要な検査を行います。また、手術についてさらに細かな説明もしていきます。
④『術前説明』では、手術前後に必要な目薬などのお薬を処方します。また、手術前後の生活面での注意点などにつき、説明します。
電話での手術の予約はできません。
外来が空いているときは、1回目の受診時に②日程決定まで行えることもあります。しかし、最近はいつも混雑していて、なかなか難しいです。
1回目の受診から手術まで、1~2か月となります。そのため、手術を希望する時期がありましたら、余裕をもって2か月ほど前に受診して頂くとよいかと存じます。
ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
ワクチンと白内障手術に関する質問をよく頂きます。
現時点での当院での基本的方針は、
『ワクチン接種と白内障手術は1週間以上あける』
としております。
ワクチンの副反応により、発熱などの体調不良は結構な頻度で生じます。ワクチン接種と白内障手術の間が短いと、手術や通院ができなくなる可能性があります。また、腕が痛くて上がらなくなり、術後の目薬がうまくできなくなる恐れがあります。
また、因果関係ははっきりしませんが、ワクチン後の目への影響に関する報告が散見されます。そのため、何かあったときに、手術とワクチンのどちらが原因か、判断がつかなくなることが懸念されます。
以上を踏まえて、当院ではワクチン接種と白内障手術は1週間以上あけることにしています。
10月よりオミクロン株対応の新しいワクチンが始まると言われています。まだ情報が少ないのですが、今のところ、副反応などは従来のワクチンと同様とされています。そのため、新しいワクチンも同様の対応とする予定です。
ただし、情報の変化に伴い、変更となる可能性もあります。