目が赤くなった場合、まず鑑別すべきことは、
『出血』と『充血』です。
出血は、血でべったりと赤くなります。
充血は、1本1本の血管が太くなることで赤く見えます。
出血の場合、『結膜下出血』という診断になります。こちらは、2週間程度で自然に消えるため、問題はありません。そのため、必ずしも眼科に受診しなくても大丈夫です。
一方、充血は結膜炎、ものもらいなどのよくある病気から、角膜潰瘍、ぶどう膜炎などの重篤なものまで、原因は様々です。そして、原因により、今後の経過や治療法が大きく異なります。
特に、痛みの強い場合や、視力低下を伴う場合は、重篤な病気の可能性もあるため、早めに眼科へ受診したほうがよいです。
目のかゆみは、主に『アレルギー性結膜炎』が原因となります。
アレルギー性結膜炎は、『季節性』と『通年性』に分けられます。
『季節性』は、スギ花粉のような季節性の花粉が主な原因となります。症状は毎年同じような時期に出て、時期が過ぎれば改善します。
『通年性』は、ホコリやハウスダストなど、身の回りにあるアレルギー物質が原因となります。また、動物を飼っていると、動物の毛やダニなどが原因となることもあります。
治療は、目薬が中心となります。目薬の種類は、原因問わず共通となります。
また、原因が分かっていれば、そのアレルギー物質に触れない・遠ざけることが重要です。そのために、メガネやゴーグルも有効です。
かゆくて目をこすってしまうと、角膜にキズがついたり、ものもらいのような感染を引き起こします。
我慢できないかゆみがでるようでしたら、眼科への受診をオススメします。
『物がゆがんで見える』という症状は、主に網膜の中心である『黄斑』の障害で起こります。
黄斑の病気は、
黄斑変性、網膜前膜、黄斑円孔、黄斑浮腫(糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症などに伴う)、網膜剥離、中心性網脈絡膜症
など多数あります。
それぞれ好発する年齢や症状、経過など異なりますが、自覚症状のみで病気を鑑別することは困難です。
OCTという黄斑部の断層像を見る検査があり、これにより診断が可能です。
治療は、それぞれの疾患により異なります。網膜剥離や、出血を伴う黄斑変性など、緊急を要する病気もあります。
『物がゆがんで見える』症状がありましたが、早めに眼科受診することをオススメします。
『子供の目薬、どうやってやればいいですか?』
というご質問をよくいただきます。
まず、一番わかりやすいやり方をご紹介します。
①目薬をする人は正座して、両足をひろげます。
②子供は顔を上に向けて横になります。
③ひろげた両足で頭を軽く挟み、固定します。
④下まぶたを軽く下に下げます。(あっかんべーの要領で)
⑤下まぶたに目薬をするイメージで点眼します(目の正面だと、目薬の先端が見えるので、子供はいやがります)
ただし、子供がいやがって大暴れした状態ですと、目薬はとても難しいです。また、無理やり目薬しても、その後泣いてしまうと、目薬が涙と一緒に流れてしまい、意味がありません。
そのため、無理やり目薬するのは、あまりおススメしません。
もし、子供がいやがって、目薬をするのが難しい場合、子供が寝ているときはわりとやりやすいため、オススメです。
『黒いものが飛んで見える』
『髪の毛のようなものが動いて見える』
『アメーバみたいなのが見える』
などの症状を『飛蚊症』と言います。
多くの場合、自然に出てくるもので悪いものではありません。
ただし、治療法はないので、そのまま様子を見ることになります。
一方、まれに『網膜剥離』や『硝子体出血』などの病気の症状として出てくることがあります。
特に『墨汁を流したような黒い(赤い)ものが見える』などの飛蚊症の量が多い場合、これらの病気が原因となっている可能性があります。
病気が原因の場合、病気に応じた治療を要します。
特に、網膜剥離では、緊急でレーザーや手術が必要となります。
飛蚊症が自然に出たものか、病気が原因か、自覚症状で判別するのは困難です。そのため、眼科で検査をすることをお勧めします。網膜剥離の場合、緊急での対応が必要となるため、飛蚊症が出た際には、なるべく早めに受診したほうがよいです。
飛蚊症に対する検査として、目薬で瞳を開く『散瞳検査』を行います。この目薬をさすと、5時間程度見えにくくなり、車の運転や細かい字を見る作業などができなくなります。
そのため、眼科受診の際は、車やバイクではなく、徒歩や公共交通機関を利用してください。
また、目薬の効果が出るまでに時間がかかるため、当院では診療終了時刻の1時間前までの受診が必要となります。
時間には余裕をもって、お越しください。
健康診断などで、眼圧が高い(高眼圧)と指摘されることがあります。
眼圧が高いと、視神経が障害される『緑内障』になっている、もしくは、今後なりやすい恐れがあります。
眼圧はよっぽど高くない限り、自覚症状が出ません。そのため、自覚症状がなくても、眼科で精査することが望ましいです。
眼科に受診した場合、眼圧と視野検査を中心に検査を進めていきます。
眼圧は、日や時間により変動します。また、目に力が入ると、実際より高い数値がでることがあるので、注意が必要です
視野検査に異常がある場合、緑内障と診断して、緑内障治療を開始します。
視野検査に異常がない場合、眼圧が25mmHg以下であれば、経過観察となります。眼圧が25mmHg以上の数値が続くようですと、今後緑内障になる可能性が高いため、緑内障治療を開始します。
緑内障は、自覚症状が出たときには、すでにかなり進行しており、手遅れになっていることが多いため、早めに眼科へ受診することをオススメします。
今月もスタッフが置き看板を書いてくれました。
ありがとうございます。
うなぎのうな次郎、だそうです。
(最初、ウナ太郎と記載しておりましたが、正確にはうな次郎でした。お詫びして訂正致します)
Q 処方箋の有効期限はなぜあるのですか?
A 診察を受けてから時間が経過するほど必要な治療が変わってくる可能性が高くなるためです。
Q 処方箋の有効期限はどれくらいですか?
A 発行日を含めて4日間です。これは『保険医療機関及び保険医療療養担当規則』により定められています。この4日間の中には、土日祝日も含まれます。
4日あれば、土日をはさんでも、薬を受け取れる可能性が高いことと、病状は刻々と変わるものであり、診療を受けてから時間が経過すればするほど必要な治療が変わる可能性が高くなるからです。
診察を受けて処方箋を受け取ったら、その足で薬局に寄って薬をもらうことを推奨します。
白内障手術では、手術の時に目の中に移植する眼内レンズの度数を調整することにより、近視や遠視などの度数を調整します。
強度近視の場合、近視を軽くしたり、時には近視をほぼ0にすることも可能です。そのため、白内障のにごりを取ることによる視力回復だけでなく、近視矯正としてのメリットもあり、喜ばれることが多いです。
しかし、強度近視で、片目のみ白内障が進行している場合、片目のみ手術をして近視を軽減させると、手術しないほうの目と度数の差が非常に大きくなってしまいます。
この場合、
①両目手術する
②片目のみ手術する
③もう片方も白内障が進むまで手術を我慢する
の3択となります。
反対目に少しでも白内障があれば、両目手術すると、左右差を気にせずに手術できるため、最もわかりやすいです。しかし、手術にはリスクを伴うため、視力低下のない目を手術することに抵抗を感じる方も多いです。
片目のみ手術する場合、術後の左右差にどう対処するかを検討する必要があります。最も左右差を感じにくいのが、コンタクトです。しかし、コンタクトは24時間使用できないのが難点です。
眼鏡で矯正する場合、左右差が大きいと完全矯正が困難です。そのため、通常は手術した目を中心とし、反対目は低矯正にしてバランスを取ります。
しかし、どうしても左右差に適応できないようだと、早めに反対目も手術する必要が出てきます。
どの方法がよいかは、個人差が大きいので、手術のタイミングを慎重に検討し、手術をする際には、手術のメリットとデメリットをよく理解しておく必要があります。