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・日帰り白内障手術

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    小児視力検査受付時間

    新型コロナウイルス感染予防のため、小児の視力検査の受付は、
    診療終了時刻1時間前まで(午前11時半、午後5時まで)
    とさせていただきます。
    また、眼鏡処方は休止しております。
    ご理解の程、よろしくお願い致します。

    白内障手術では、どれくらい切るの?

    今回は、白内障手術における切開創の大きさについて、説明していきます。

    ずーっと昔は、水晶体をまるごと取り除いておりました。水晶体は、直径10ミリ程度あります。そのため、切開創は、水晶体より少し大きい12ミリくらいが必要でした。
    12ミリというと、黒目と白目の境目を上半分くらい切るようなイメージです。

    その後、超音波乳化吸引術という画期的な技術が登場しました。これは、水晶体を超音波で砕き、小さくした水晶体を吸い取る、というものです。この機器の登場により、切開創を大幅に小さくすることが可能となりました。

    すると、次は眼内レンズが切開創の律速段階となりました。
    眼内レンズは、直径6ミリ程度あります。これをそのまま入れようとすると、切開創は6.5ミリくらい必要でした。

    そんな中、二つに折りたたんで入れることができるという、画期的な眼内レンズが登場しました。これにより、切開創は4ミリで可能となりました。

    さらに、インジェクターが登場しました。
    これにより、筒状の入れ物に眼内レンズを折りたたんだ状態で入れることが可能となりました。さらに、インジェクターが進化しており、いまでは2ミリくらいの切開創で手術可能となりました。
    2ミリがいかに小さいかを体感するために、定規で2ミリを確認してください。

    切開創が小さくなったことで、『自己閉鎖』と言って、切開創が自然に閉鎖するようになりました。そのため、切開創を糸で縫う必要がなくなったことが、革命的でした。
    これにより、手術時間が大幅に短縮しました。また、糸による手術後の痛みもなくなりました。
    さらに、術後の視力回復も格段に早くなり、多くの方は手術翌日からベストに近い状態まで視力が出るようになりました。
    まさにいいことばかりです。

    超音波乳化吸引とインジェクターを開発した人たちに感謝しながら、手術をする今日この頃です。

    開業日記 その10

    2016年8月7日
    「リーガルチェック終わりました。」
    待ちに待ったメールがついに来ました。

    早速内容を確認したところ、目を疑いました。

    そこには、契約書の中で、貸主に極端に有利な部分や、定義があいまいな部分などの指摘が、数十項目にわたり、びっしりと羅列されていました。すごいボリュームで読むのが大変で時間がかかるうえ、難解すぎてほとんど理解できませんでした。
    しかし、なんとなく悪徳業者の例のヤツ、という印象を受けました。

    同様のメールは、すでにA氏にも送られており、すでに読んでいるはずでした。
    意を決してA氏に電話しました。

    続く

    白内障手術と顕微鏡

    黒目の大きさをご存じですか?
    直径約1.5cmです。

    目の中にアプローチする眼科手術では、この中で操作をする、とても細かい作業となります。肉眼で見ることは不可能なので、手術用顕微鏡で拡大しながら手術を行う必要があります。

    一般的に、カメラなどでズームすると、画質が悪くなります。しかし、画像がぼやけると、手術が困難になってしまいます。そのため、手術用顕微鏡の画質が、眼科手術では非常に重要となります。手術用顕微鏡の性能がよくなると、より精密な眼科手術をより正確で安全に行うことが可能となりました。
    近年の眼科手術の進化は、手術用顕微鏡に支えられているのです。

    眼科手術もいくつかの分野があり、求められる性能が異なります。そして、当院で使用している『ルメラi』は、白内障手術に特化した手術用顕微鏡となっています。

    特徴は、『徹照』がとてもよいことです。
    目に光を当てると、網膜で反射されます。網膜はオレンジ色なので、目の中がオレンジ色に見えます。これが徹照です。

    徹照が一番力を発揮するのが、前嚢切開という工程です。
    白内障は、嚢という透明な膜で覆われています。その前の部分である前嚢を丸く切り、その部分から器具を入れ、手術を行います。これを前嚢切開といいます。手術の工程の中でも初めの方のため、これがうまくできないと、以降の手術操作が困難になるだけでなく、後嚢破損や水晶体落下などの大きなトラブルにつながります。

    嚢はサランラップみたいに無色透明です。そして、白内障は白く濁っています。そのため、特に白内障が進行している場合、前嚢はとても見えにくく、途中で見失うこともあります。
    しかし、徹照が良いと、背景がオレンジ色になり、前嚢のエッジが浮き上がって見えるようになります。
    それにより、前嚢切開で苦労することが格段に減りました。もちろん、その他の操作も立体的に良く見えるため、ストレスを感じることなく手術することが可能です。

    『白内障手術するとまぶしさは取れますか?』

    白内障の症状の一つに、「まぶしい」があります。
    これは、白内障のにごった部分に光が乱反射することが原因と言われています。これは、特に白内障の初期に多い症状です。

    一方、白内障手術後、まぶしさを訴える方がいます。これは、白内障によるにごりを取り除き、光が入る量が増えるためです。

    そのため、白内障手術により、白内障を原因とするまぶしさは改善されますが、代わりに手術によるまぶしさがでてくることがあります。
    結果として、手術でまぶしさが改善する方がいる反面、手術によりまぶしさが悪化したと感じる方もいます。
    そのため、白内障によるまぶしさを取ることを目的として、手術することはお勧めしておりません。あくまでも手術は、白内障による視力低下を改善することを目的として、まぶしさが取れればラッキーと考えるくらいがちょうどいいと思います。
    まぶしさを軽減するためには、サングラスやUVカットの眼鏡の使用で対応していきます。

    恐怖の成熟白内障

    『難しい白内障手術の話』シリーズ第二弾

    成熟白内障とは、白内障が進行しすぎて、水晶体が真っ白もしくはまっ茶色に濁ってしまった白内障を言います。矯正視力は0.01未満と、ほぼ失明状態のことも少なくありません。
    通常の白内障の手術は、比較的短時間で安全にできますが、成熟白内障では、手術が困難なことが多いです。そのため、手術時間が長くなり、合併症のリスクが高くなります。
    さらに、成熟白内障では、目の奥である眼底が見えないため、網膜や視神経などに病気があるかどうか、手術前にはわかりません。そのため、術後に視力がどれくらい改善されるのか、手術前に予想することが困難です。

    以上、まとめると、成熟白内障では、
    ①手術のリスクが高い
    ②術後視力が予想できない
    という問題があります。そのため、成熟白内障まで進行する前に白内障手術をすることをオススメしています。

    そもそも白内障は、徐々に進行する病気のため、定期的に眼科通院をしていれば、成熟白内障になるまで放置されることはまずありません。しかし、様々な理由で眼科受診が遅れることで、成熟白内障まで進行してしまうケースがあります。
    そこで、予防策としては、眼科の定期的な通院と適切な時期に手術をすることが挙げられます。

    特に60歳過ぎて、見えにくい、かすむ、などの視力低下を感じたら、我慢せずに一度眼科へ受診してみてください。

    白内障手術とセンチュリオン

    白内障手術では、白く濁った水晶体を超音波で砕き、小さくしながら吸引していきます。
    ここで使用する機械を
    『フェイコマシーン』
    と言います。
    白内障手術の中で、この部分で一番トラブルが起きやすく、特に白内障が進行した症例では、難しくなります。そのため、フェイコマシーンの性能が、白内障手術に多大な影響を及ぼします。

    私はいままで、ずっとアルコン社の歴代フェイコマシーンを使用していました。
    私が眼科医になった20年前は、『マレニアム』や『アキュラス』でした。当時はかなり普及したので、40歳以上の眼科医なら、一度は使用したことがあるかと思います。
    これらのフェイコマシーンでは、非常に進行した成熟白内障には歯が立ちません。そのため、そのような症例では、水晶体嚢外摘出術という、目の上半分を切開し、水晶体を丸ごと取り除く手術を行っていました。

    次に、いまから10年ちょっと前に、『インフィニティ』が登場しました。
    こちらは、前の二つとは格段に性能が良くなっており、感動したのを覚えています。成熟白内障でも対応可能となったので、インフィニティの登場以降、嚢外摘出術は一度も行っていません。
    とはいえ、水晶体を破砕するのに非常に時間がかかるうえに、途中で詰まってしまうこともしばしばでした。そのたびにハンドピースに水を通したり、チップを変えたりと、結構大変でした。

    そして、5年ほど前に、ついに『センチュリオン』が登場しました。
    こちらは、破砕力がさらに強力になっており、成熟白内障ですら、ほとんどストレスなく対応できるようになりました。しかも、今までさんざん術者を困らせた詰まりもまったくありません。

    手術が無事にできているのは、自分のテクニックのおかげ・・・ではなく機器の進歩のおかげだと、感謝しながら手術する日々です。

    『白内障手術後の生活制限は?』

    今回は、白内障手術後の生活制限のお話です。
    特に洗髪洗髪、運動や水泳、運転について説明していきます。

    手術後の一番の懸念事項は術後感染症です。
    頻度は0.1%(1000人に1人程度)と非常に低いのですが、失明などの重篤な視力障害が生じる恐れがあります。

    この術後感染症予防に、水が眼内に入るのを防ぐ必要があります。水が眼内に入る行為として、洗顔洗髪や水泳、運動などが挙げられます

    洗顔洗髪ですが、手術後四日間程度できません。
    洗顔のかわりに、汗拭きシートや絞ったタオルなどをご利用ください。
    洗髪は、美容院で上向きの状態で洗うのは可能です。(理容室は下向きなのでダメです)また、水のいらないシャンプーは可能です。(薬局に売ってます)

    水泳は1ヶ月禁止です。
    運動ですが、ウォーキング、ストレッチなどの軽い負荷なら、一週間で可能です。
    一方、汗だくになるような激しい運動、負荷の大きい運動は、水泳と同じく1ヶ月程度控えた方がよいです。

    運転は、術後視力の出方により異なります。
    手術翌日から良好な視力が出た場合、翌日から運転は可能です。しかし、見え方に慣れるまで、生活をしながら少し様子をみた方が安全です。
    一方、視力回復に一、二週間かかる場合もあります。また、眼鏡を新しくする必要が生じることもあります。その場合、運転が出来るまで、少しお時間がかかります。
    以上より、運動はいつから可能か、個人差が大きいため、念のため手術後しばらくは運転するご用事は入れないのが無難です。

    一方、テレビやパソコン、スマホを見るなどの、目を使う作業は翌日から可能です。
    その他に関しては、基本的に制限はないのでますが、こちらの想定していないこともあるかもしれませんので、手術が決まった際に質問して頂ければと存じます。

    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』

    今回は、手術後の視力についての説明です。

    まず初めに、白内障手術の安全性はかなり高いものの、ごくまれに感染症などの重篤な合併症が生じることがあります。その場合、視力が低下することもあります。そのため、手術は視力改善を100%保証するものではありません。

    次に手術が無事終わった場合です。
    手術後の視力は、目の他の部分(角膜、網膜、視神経など)の機能に影響されます。
    他の部分が問題なければ、良好な視力が期待できます。しかし、白内障以外の病気(角膜混濁、緑内障、黄斑変性、網膜剥離などなど)があると、それらは白内障手術をしても治らないため、手術後の視力が改善しないこともあります。

    また、白内障手術をする方は高齢者が多いためか、検査上明らかな異常がないにも関わらず、なぜか視力が改善しない場合があります。

    最後に、手術後に視力は明らかに改善しているにも関わらず、
    「手術しても視力が改善しない」
    と言う方がまれにいます。
    原因は個々で異なりますが、手術前の視力が比較的良かった方、手術に対する期待値が高すぎる方に多い印象があります。

    以上を踏まえたうえで、最初の質問
    『白内障手術後、どれくらいみえるようになるんですか?』
    の答えは、
    『やってみないとわからない』
    という、あいまいな言い方になってしまいます。

    開業日記 その9

    8月4日は終わらない・・・。

    すぐにA氏に電話しました。すると、

    「その日程って、先生が言ってませんでしたっけ?」
    と、とぼけた感じで答えてきました。
    人間、相手にあまりにも堂々とされると、こちらが間違っていると思ってしまうものです。
    そして、私が誤解を招くような言い方をしてしまったのかな、と考えてしまいました。

    さらにA氏は、
    「8月8日に内装業者の現地視察をお願いしているので、8月6日に契約していただかないと間に合いませんよ。」
    と畳みかけてきました。ちなみに、内装業者の話も初耳でした。

    次々と新しい情報が出てきて、もはやパニックを通り越して思考停止な私。気が付けば、内装業者の現地視察をずらせるのか、に論点移っていました。結局、
    「さすがに明後日の契約は無理なので、8月10日に契約日を延期して、お願いします。」
    という約束をしてしまいました。

    とはいえ、8月10日に契約する約束をしたものの、すっきりと納得できたわけではありません。かといって、約束を破ることもできません。だれにも相談できないまま、眠れない夜を過ごしていました。

    続く