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  • 月: 2020年10月
  • 白内障手術のこだわり器具 その5

    今回のこだわり器具は
    『八重式剪刀』

    細い筒状の先端が小さなハサミ状になっています。
    1ミリの小さな切開創から挿入可能です。

    白内障手術では、散瞳不良の目に対し、虹彩に切開を加え、瞳孔を広げるため使用します。
    散瞳不良に対し、引っ張って広げる方法もあります。こちらの方がお手軽ですが、痛みが出やすい上、手術後虹彩が不正円になることが多いです。
    一方、八重式剪刀で切開したほうが、術後の虹彩がキレイです。
    そのため、院長は八重式切開を重宝しております。

    大学病院時代、ぶどう膜炎外来を担当しておりました。
    ぶどう膜炎になると、虹彩癒着が起こりやすく、散瞳不良の方がたくさんいました。
    そんな時、八重式剪刀が大活躍してくれていました。
    開業後は、使用頻度は少なくなりましたが、いざという時に欠かせない一品です。

    開業日記 エピソード36

    少し時間がさかのぼります。

    2016年10月、それまで下がり続けた金利が上昇に転じます。その原因は・・・
    トランプ大統領就任。
    TVでは以降見ない日がないくらい、今日までよく出てきますが、まさか自分にその影響が出るとは想像していませんでした。

    金利上昇の影響からか、それ以前より融資を受けにくくなり、かつ上限金額が下がりました。
    それまでは、開業はG銀行で全額OK、という流れでしたが、いざ銀行へ相談すると、上限金額までしか融資できないとのことでした。そのため、さらに他の銀行から融資を受けないと資金が足りない、という状況になりました。

    慌てて、他の銀行に当たることになりました。
    まずは、大手M銀行。しかし、金利が高いうえ、いざ話を進めていくと、M銀行からではなく、なんとかファイナンスと言う保証会社?から融資を受ける、という契約内容でした。なんとかファイナンスと言えば、闇金ウシジマくんみたいな人が出てきそうで怖いので、却下しました。

    次に、地方M銀行。決して好条件ではなかったのですが、背に腹は代えられないということで、ここに決めました。

    4月、A社とC社から融資の金額の配分も決まり、あとは団体信用生命保険に加入すればOK、というところで、さらに問題が勃発します。

    話を進める前に、団体信用生命保険(略して団信、かっこいいのでこれからは団信と呼びます。)についての説明から。団信とは、融資を受ける際、担保なしの代わりに入る保険です。家を購入された方は、利用している方も多いかと思います。
    団信は、銀行1社に対し、それぞれ入ります。そして、1社あたりの団信がカバーできる上限金額が決まっています。今回は、2社のそれぞれの金額は上限を下回っていました。そのため、ここは特に気にも留めていませんでした。

    4月のGW直前、A社から突然の連絡がありました。
    誰かから電話が来るときは、良いことはありません。久しぶりにイヤな予感がしました。
    「A社とC社の団信が同じ会社のため、合計金額が上限を超えるから、団信でカバーできない金額がでます。どうしますか?」
    という内容でした。団信が同じ会社というまさかの事態。どうしますと言われましても・・・とフリーズしていると、A社と提携しているA保険会社でオーバーした分の金額につき保険をかければOKとのことでした。開業まで時間もないので、言われるがままに契約するしかありません。
    しかし、タイミング悪く、GWを挟むため、保険会社との契約は5月のGW明けとなりました。
    そして、保険会社との契約をした後、やっと銀行と融資の契約を締結することができました。ちなみに、銀行との契約日は、なんと内覧会の3日前・・・。

    口約束があったとは言え、世の中なにが起きるかわかりません。不測の事態で契約が破棄なったらおしまいだ、と内覧会の直前まで眠れぬ夜を過ごしていました。

    内覧会を目前に、多忙とストレスのなか、ついに私の体に異常が生じます・・・。

    続く

    手術時の院長

    手術時の院長です。

    装備としては、キャップにマスク、術衣に手袋となっております。
    ちなみに、手を胸の前に位置しているのは、腰より下は不潔とされているからです。

    ドラマの手術シーンの冒頭で、手を胸の前にし、指をビシッと伸ばして、
    『これから何々手術を始めます。メス』
    というのを思い浮かべると思います。しかし、実際には、長時間指をビシッと伸ばすのは疲れるので、写真のように力を抜いています。もっと疲れてくると、お化けのようにだらっとすることもあります。
    また、両手の指を組んだり、清潔な台に手をのせたりして、手術をベストな状態で行うために、それ以外の時間では余計な体力を使わないように気を付けます。

    白内障手術とこだわり器具 その4

    白内障手術のこだわり器具シリーズ第四弾は
    『プリセット式眼内レンズ』

    白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズという、コンタクトレンズのような特殊なレンズを目の中に挿入します。

    眼内レンズは直径約6ミリです。
    昔は、眼内レンズをそのまま挿入していたため、目を7ミリ程度切開する必要がありました。

    その後、半分に折り畳める眼内レンズが登場しました。これにより、切開も半分の3.5ミリ程度と小さくなりました。

    さらに、インジェクターが登場しました。インジェクターに眼内レンズを入れると、挿入時に自動的に眼内レンズが折り畳まれます。
    インジェクターの進歩により、切開は年々小さくなり、今では2ミリ程度で挿入可能となりました。
    またメリットとして、挿入時に切開創などに触れることがないため、感染対策にもなります。
    しかし、デメリットとしては、インジェクターにセットするとき、うまくできないと挿入時にロケット発射や眼内レンズにヒビが入るなどのトラブルが出るとこがあります。
    また、セット時の菌の迷入の可能性もあります。

    そこで登場したのが、プリセットです。
    これは、すでにインジェクターに眼内レンズがセットされています。これにより、セッティングに伴うトラブルはほぼなくなりました。また、感染リスクもさらに減少していると思われます。
    プリセットの登場時は、小切開からの挿入ができなかったのですが、最近ではインジェクターと同様の2ミリ程度の切開創から挿入可能となりました。

    白内障手術とこだわり器具 その3

    白内障手術のこだわり器具シリーズ第三弾は、
    『マニー社のスリットナイフ』

    白内障手術を行うにあたり、約2ミリと1ミリのスリットナイフで切開し、以降はそこから器具を挿入して、手術を行います。

    切開は、その後の操作性から切開創の閉鎖まで影響するとても大切な作業となります。
    そこで使用するのが、スリットナイフです。

    こちらは、様々な会社のものがあります。そんな中、院長が愛用するのが、マニー社のスリットナイフです。

    特徴は、切れ味がダントツに良いことです。他社の切れ味では、対側から押さえるなど、スリットナイフに対して反対方向の力で抑えたうえで、結構力を加えないと切開できません。しかし、マニーは、カウンターの力なしで、しかもそれほど力を入れなくとも、すっーと切開できます。そのため、自分のイメージ通りに切開をすることができます。

    欠点としては、切れ味が良すぎて、手のブレや目の動きがあると、余計なところまで切れてしまうことです。
    そのため、スリットナイフ自体に良い悪いはなく、術者の好みが大きいです。

    白内障手術とこだわり器具 その2

    白内障手術のこだわり器具シリーズ第二弾は、
    『プレチョッパー』

    水晶体を四分割する時に使用します。
    上の先端が半円形をしているものが、『コンボ2』
    下の先端が尖っているのが、『ユニバーサル2』
    と言います。
    ちなみに、それぞれ『2』は『1』より先端の部分が薄くなっており、水晶体に刺入しやすくなっています。

    白内障の柔らかいものはコンボ2、白内障が進化して硬くなったものはユニバーサル2、と使い分けます。

    その他にも、コンボ3などのプレチョッパーもあり、色々と試してきましたが、結局上記2つに今は落ち着いています。

    ~夢を語る~ その101

    世界一のスタッフ満足度を目指して・・・。

    「2020年の目標」 『昨日の自分を少し超える』

    第9回 『オススメの映画紹介』

    『容疑者Xの献身』
    容疑者Xが、眼科で健診を受けるお話です・・・ウソです。
    シングルマザー花岡さんは、元夫を殺害。それを知った隣人の天才数学者石神が、完全犯罪を企てます。アリバイを崩せない警察は、天才物理学者湯川教授に捜査協力を依頼します。
    ストーリーはわかりやすく、安心してみていられます。
    また、堤真一の演技が素晴らしい。
    とっても切なく、悲しいお話ですが、本当の愛とは何か?を考えさせられます。

    開業日記 エピソード35

    5/11 スタッフ研修初日
    先輩開業医に、研修初日に来ない人がいた、という恐ろしい話を聞いていました。
    実際、面接をしてそれっきりなので、本当にスタッフは来てくれるのか、もし誰も来なかったらどうしよう、と朝から心配でした。
    しかし、ありがたいことに、皆さん来てくれました。
    スタッフが集まり、みなさんの前で最初にあいさつしたとき、
    「これから院長になるんだ」
    という実感が湧きました。

    スタッフ研修は20日間で、電子カルテの使用法を中心とした内容となっていました。
    最初は、スタッフと一緒に研修を受けようと思っていましたが、他にやることが多すぎて、すぐに断念しました。

    ここで、開業1か月前の院長の仕事につき、記載していきます。

    「電子カルテ」
    研修内容同様、電子カルテに充てる時間が一番多くなります。特に、私も電子カルテが初めてだったので、使用方法を覚える必要がありました。
    また、電子カルテは使いやすいようにカスタマイズが可能です。最初はゼロの状態から大まかな全体像を作成し、その後細かな部分の修正となります。何事も同じですが、0から1を生み出す作業はものすごいエネルギーが必要です。
    その中で、会計と紐づけする項目選びは、取りこぼし防止と時間短縮になるため、非常に重要となります。

    「書類の作成」
    クリニックを始めるにあたり、同意書や手術説明用紙、オーダー用紙などの書類の作成が必要です。
    同意書や手術説明用紙は、他のクリニックで使用しているものをもらっていたので、最初は、クリニック名だけ変えればよいか、と思っていました。しかし、他人のものは、やっぱりしっくりこないため、ちょっとずつ変えているうちに、結局すべてを変更することになりました。
    また、オーダー用紙は、外来の流れと電カルでできることを考慮する必要があり、脳内外来シュミレーションを何度も行う必要があります。実際に外来をやっていればなんてことはないのですが、まったくなにもない状態で物事を考えることは、非常に大変です。

    「備品の追加購入」
    実際に多くの人数が集まると、一人のときには思いつかなかった足らないものが次々と出てきます。マツキヨとダイソーへ通う日々が続きます。

    「営業への対応」
    どこで調べてくるのか、様々な営業が来ます。現在はスタッフに対応してもらえますが、当時はすべて自分で対応しなければいけません。
    多いのが、広告系で、駅や広場の看板、インターネット、地域雑誌や医療雑誌、回覧板、役所の掲示板、地図、うちわなどなど。こんなに広告の種類があり、それで飯食っている人がこんなにいるんだ、と感心しました。
    しかし、全員に広告の対費用効果につき質問しましたが、誰一人まともに答えることができません。広告を売る以上、どれくらい利益をもたらすか、もしくは、どのように計算すればおおよその判定ができるのか、くらいは考えておくべきだと感じました。
    営業人は、商品を売ることで相手にいくら利益が出るかではなく、自分にいくら利益が出るか、という内向きにしか思考回路がないようです。
    結局、いちいち考えるのが面倒になり、営業は内容問わず、すべて断ることにしました。

    そのほか、想定外の小さなトラブル(虫が大量発生するなど)の対応など、いくらやってもやることが次々と増えていく感覚でした。開業1か月前は、研修医時代を超え、人生で最も忙しい期間となりました。

    そして、開業前に最大のピンチが訪れます。

    続く

    開業日記 エピソード34

    5/1月曜、ついに内装工事が終わり、鍵をもらいました。これで、一国一城の主となりました。
    さあ、これから、と思いきや、5/3からGWに突入します。退職してからプータロー状態の私は毎日がGWなので関係ない話ですが、業者はみな連休に入ってしまい、業務がストップしてしまいます。

    5/8月曜
    GWが明けました。ここから、人生で一番忙しい1か月となります。
    その時点では、クリニックには何もない状態です。
    11日にスタッフ研修が始まるため、この三日間で必要物資をすべて揃える必要があります。
    大物系として、医療機器から待合室用ソファやロッカーなどの家具があります。これらは事前に注文しているのですが、量が多く1日では搬入できません。そのため、毎日搬入作業です。
    また、トイレットペーパーなどの生活用品も必要です。毎日、駅前のマツキヨとダイソーへ買い出しです。
    さらに、電話、プリンター、レジ、テレビなどの電化製品の購入も急務です。これらは、無限に種類があり、こだわり始めるとキリがありません。そこで、Amazonで、適当に次々と選んで行きました。人生においてAmazonで一番お金を使った1か月だったと思います。ありがたいことに、Amazonは翌日配送してくれるため、あっという間に揃いました。Amazonがなかった時代、どうやって開業していたのか、私には想像できません。

    こうして、3日間でなんとか最低限の装備は整いました。

    いよいよスタッフ研修開始です。

    続く

    白内障手術のこだわり器具 その1

    白内障手術のこだわり器具シリーズでは、院長のお気に入りの手術器具を紹介します。

    第一弾は
    『稲村式レキシスセッシ』

    水晶体は、嚢という透明な袋に包まれています。
    水晶体にアプローチするために、嚢の前の部分を丸く切り取ります。
    そこで使用するのが、レキシスセッシです。
    レキシスセッシもいくつかのタイプがありますが、私は20年間、稲村式を愛用しています。

    稲村式は、実は五年くらい前に販売中止となってしまいました。その代わりに、他のタイプをいくつか試用しましたが、あまりしっくりきませんでした。

    そこで、業者にお願いして、なんとか数本手に入れました。業者いわく、流通している最後の稲村式だったそうです。

    というわけで、もし壊れると二度と手に入らないため、大切に使用しております。