目が赤くなった場合、まず鑑別すべきことは、
『出血』と『充血』です。
出血は、血でべったりと赤くなります。
充血は、1本1本の血管が太くなることで赤く見えます。
出血の場合、『結膜下出血』という診断になります。こちらは、2週間程度で自然に消えるため、問題はありません。そのため、必ずしも眼科に受診しなくても大丈夫です。
一方、充血は結膜炎、ものもらいなどのよくある病気から、角膜潰瘍、ぶどう膜炎などの重篤なものまで、原因は様々です。そして、原因により、今後の経過や治療法が大きく異なります。
特に、痛みの強い場合や、視力低下を伴う場合は、重篤な病気の可能性もあるため、早めに眼科へ受診したほうがよいです。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、3か所の窓は開放し、入り口ドアも30分に1回、5分程度開放しています。
特に入り口ドアを開放しているときは、暖房をつけているものの、寒くなってしまいます。
そのため、当院受診時は、暖かい恰好をしていただくとよいかと存じます。
上着を着たままでも検査や診察が可能ですので、安心してください。
健康診断などで、眼圧が高い(高眼圧)と指摘されることがあります。
眼圧が高いと、視神経が障害される『緑内障』になっている、もしくは、今後なりやすい恐れがあります。
眼圧はよっぽど高くない限り、自覚症状が出ません。そのため、自覚症状がなくても、眼科で精査することが望ましいです。
眼科に受診した場合、眼圧と視野検査を中心に検査を進めていきます。
眼圧は、日や時間により変動します。また、目に力が入ると、実際より高い数値がでることがあるので、注意が必要です
視野検査に異常がある場合、緑内障と診断して、緑内障治療を開始します。
視野検査に異常がない場合、眼圧が25mmHg以下であれば、経過観察となります。眼圧が25mmHg以上の数値が続くようですと、今後緑内障になる可能性が高いため、緑内障治療を開始します。
緑内障には、眼圧を下げる目的で点眼を使用します。
緑内障点眼は長期間使用することになるため、副作用が問題となることが少なくありません。
そこで今回は、緑内障点眼の副作用と、それを踏まえた点眼の選択についてです。
緑内障点眼は、主に5系統に分けられます。
①プロスタグランジン関連薬
②βブロッカー
③炭酸脱水酵素阻害薬
④α2刺激薬
⑤ロック阻害薬
1つで一番眼圧下降効果が高いのは、①で、第一選択薬になることが多いです。
副作用は、黒ずむ、まつ毛が伸びる、充血など、見た目に影響します。一方、全身への副作用は、ほとんどありません。
②は、目への局所的な副作用は少ないです。しかし、心臓疾患や喘息に影響する可能性があります。そのため、該当する基礎疾患があると、使用できません。
③は、液が白く懸濁しているため、点眼後に一時的にぼやけたり、目の周りが白くなりやすいです。しかし、ぼやけは時間が経てば改善し、目の周りは顔を洗えば綺麗になります。
④充血やアレルギーは、他の点眼でも出ます。他の点眼は、使用を初めて比較的早期に出るのに対し、④は、使用して時間が経った後に出てくるのが特徴です。
⑤充血が、5種の中で一番強く、多くの方に出てくる印象です。
どの緑内障点眼を使用するかは、緑内障の状況などを踏まえて決めていきます。使用してみて、副作用などの不具合があれば、点眼を変更していきます。
糖尿病な伴い、糖尿病網膜症を発症することがあります。
糖尿病網膜症は進行すると、硝子体出血や黄斑浮腫、新生血管緑内障などを合併し、重篤な視力障害を生じることもあります。
糖尿病網膜症では、初期の段階では症状が出ないため、自身で発症しているかを判断することが困難です。そして、視力低下などの症状が出た時には、すでに進行してしまっていることが多いです。
リスクが高い要因としては、糖尿病のコントロールが不良、糖尿病に長期間罹患していること、若年性、などが挙げられます。
糖尿病と診断されたら、症状がなくても、定期的に眼底検査を受けることをお勧めします。
皆様が少しでも安心して受診頂けるように、
日本医師会より感染症対策実施医療機関として、
『みんなで安心マーク』
を発行して頂きました。
引き続き感染対策に留意しながら、日々の診療に邁進して参ります。
当院では、緊急事態宣言時より、手を緩めることなく感染対策を続けております。
スタッフは全員、マスク・ゴーグル・手袋に加えて、フェイスシールドを着用しています。
マスクだけでは感染防止は不十分ですが、フェイスシールドで感染リスクをより減らせると考えています。
受付には、飛沫防止シートを設置しています。
アルコール消毒を各所に設置し、手指消毒や使用した検査機器を患者さんごとに消毒しています。
換気は、窓を3か所、常に開放しています。入口ドアは、30分に5分程度開放するようにしています。
(これから寒くなると換気は大変です・・・。)
待合室の密を避けるため、時間のかかる検査(視野検査や眼鏡処方など)を完全予約制としました。
現時点では、クリニックの平均滞在時間は30分~1時間となっています。
ただし、感染対策は皆様のご協力が不可欠です。
受診の際は、マスクの着用をお願いします。小児も可能な限りマスク着用をお願いします。
体調の悪い方、発熱のある方は受診をお控えください。
待合室では、できるだけ私語はお控えください。
よろしくお願い申し上げます。
緑内障の治療について、今わかっていることは
『眼圧を下げると、進行が遅くなる』
この1点のみです。
これは、緑内障には、眼圧の高いタイプだけでなく、眼圧が正常である正常眼圧緑内障にも当てはまります。
同じ眼圧でも緑内障になる人、ならない人がいるように、眼圧以外の様々な要素が関与していることが予測されますが、現時点で確定的に証明されているものはありません。
そのため、『治療は眼圧を下げる』ことのみとなります。
しかし、治療をしても、進行を遅くするのみで、改善や進行を完全に止めることは、今の医学ではできません。そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
眼圧を下げる方法は、目薬か手術となります。
目薬はいくつか種類があるため、目の状況などから、使用する目薬を決めていきます。効果が不十分の場合は、目薬の変更や追加を検討していきます。
『緑内障は手術できますか?』
という質問をよくいただきます。
手術も、目薬同様に眼圧を下げるだけで、視力や視野が改善することはありません。しかも、手術は合併症が生じる可能性があるため、目薬でどうしてもコントロールできない場合にしかたなく行う、という位置づけです。
『生活に注意点はありますか?緑内障や眼圧にいいこと、悪いことはありますか?』
これもよくいただく質問ですが、答えは、『現時点では一切わかっていない』となります。
そのため、目薬をしっかり継続することが重要です。
緑内障では、視野が障害されます。しかし、視野の中心部は比較的末期まで温存されるため、視力は変わらないことが多いです。そのため、緑内障は、自覚症状が出にくいです。
視野障害は、信号や看板を見落とす、人や壁などにぶつかりやすい、本の行を読み飛ばす、など『気が付かずに見落とす』という症状が出ることが多いです。
自覚症状が出にくいことのデメリットは、発見が遅れることです。そのため、健診が重要となります。
一方、メリットとしては、緑内障があっても、生活に支障が出にくいことです。緑内障は、進行を遅くする治療しかできませんので、早期発見早期治療を行い、自覚症状が出ないレベルに進行をとどめておくことが肝要となります。
健診で
・視神経乳頭陥凹拡大
・視神経線維層欠損
と指摘されることがあります。
これらは、『緑内障が疑われます』というお話となります。
緑内障は視神経が障害され、視野が狭くなる病気です。しかし、緑内障は自覚症状が出にくいのが特徴です。
診断としては、視力、眼圧、OCT、視野検査を行います。そのうち、視野検査は時間がかかるため、当院では完全予約制となっております。そのため、初回の受診時に視野検査以外の検査と視野予約を取り、後日視野検査と、二度の受診が必要となります。
検査結果、緑内障と診断された場合は、緑内障の目薬による治療を開始します。