さまざまなところで開業について相談していたところ、開業支援を行っているという『A氏』を紹介されました。
初めての顔合わせで、A氏より
「先生の開業、無料でお手伝いさせていただきます。」
と言われました。
当時、同じようなことを言うものの、その後音沙汰なし、という人が多々ありました。
そのため、いつもの社交辞令として軽く受け流していました。
今まではそれっきりでおしまいだったのですが、なんと1週間後にA氏よりメールが届きました。
「先生の条件にぴったり合った物件が見つかったので、一緒に内見に行きませんか?」
ここでついに、開業活動が進み始めました。
しかし、今後あんなことになるとは、夢にも思っていませんでした・・・。
続く
最近、NHKが『強度近視』をよく取り上げています。3/3の『ためしてガッテン』でも扱っていました。
強度近視は、近視がとっても強い人を言います。
強度近視は、眼軸(目の長さ)が長くなることで生じます。
そのような目の構造上の変化に伴い、強度近視では、網膜剥離、黄斑変性(脈絡膜新生血管)、緑内障などの合併症を引き起こすことがあります。
『網膜剥離』は、網膜がはがれる病気です。
症状は、最初は飛蚊症(黒い点が見える)や視野狭窄で始まり、放置していると失明する恐れのある病気です。
治療は基本的に手術となります。進行は早く、緊急手術となることが多いです。
『黄斑変性(脈絡膜新生血管)』は、網膜の中心部である『黄斑部』に異常をきたす病気です。
症状は、視界の中心部に見えにくさ、ゆがみ、物の大きさが左右違う、などです。徐々に悪くなる場合が多いですが、出血などにより突然見えなくなる場合もあります。
治療は、主に硝子体注射(目の中に注射)を行います。こちらも放置すると、視力が改善しないため、早めに治療する必要があります。
『緑内障』は、視神経にダメージを受け、視野が狭くなる病気です。
しかし、初期の段階では、自覚症状はほとんどありません。進行は、比較的ゆっくりです。
治療は、基本的に目薬となります。しかし、目薬は進行を遅くするだけで、視野の改善、進行の完全な停止はできません。
そのため、早期発見・早期治療が重要となります。
緊急事態宣言が再々延長されるようです。
そのため、改めて気を引き締めて、新型コロナウイルス感染症に対する対策を見直して継続していきます。
スタッフは、マスク・ゴーグル・手袋に加えて、フェイスシールドを着用しています。
受付には、飛沫防止シートを設置しています。
また、診察室には、飛沫防止板を設置しています。
アルコール消毒を各所に設置し、まめな手指消毒と、患者さんごとに検査機器を消毒しています。
換気のために、窓を3か所、常に開放しています。入口ドアは、定期的に開放しています。
待合室の密を避けるため、時間のかかる検査(視野検査や眼鏡処方など)を完全予約制としました。
クリニックの平均滞在時間は30分~1時間となっています。
感染対策は皆様のご協力が不可欠です。
受診の際は、マスクの着用をお願いします。小児も可能な限りマスク着用をお願いします。
体調の悪い方、発熱のある方は受診をお控えください。
待合室では、できるだけ私語はお控えください。
ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます
白内障手術では、白く濁った水晶体を超音波で砕き、小さくしながら吸引していきます。
ここで使用する機械を
『フェイコマシーン』
と言います。
白内障手術の中で、この部分で一番トラブルが起きやすく、特に白内障が進行した症例では、難しくなります。そのため、フェイコマシーンの性能が、白内障手術に多大な影響を及ぼします。
私はいままで、ずっとアルコン社の歴代フェイコマシーンを使用していました。
私が眼科医になった20年前は、『マレニアム』や『アキュラス』でした。当時はかなり普及したので、40歳以上の眼科医なら、一度は使用したことがあるかと思います。
これらのフェイコマシーンでは、非常に進行した成熟白内障には歯が立ちません。そのため、そのような症例では、水晶体嚢外摘出術という、目の上半分を切開し、水晶体を丸ごと取り除く手術を行っていました。
次に、いまから10年ちょっと前に、『インフィニティ』が登場しました。
こちらは、前の二つとは格段に性能が良くなっており、感動したのを覚えています。成熟白内障でも対応可能となったので、インフィニティの登場以降、嚢外摘出術は一度も行っていません。
とはいえ、水晶体を破砕するのに非常に時間がかかるうえに、途中で詰まってしまうこともしばしばでした。そのたびにハンドピースに水を通したり、チップを変えたりと、結構大変でした。
そして、5年ほど前に、ついに『センチュリオン』が登場しました。
こちらは、破砕力がさらに強力になっており、成熟白内障ですら、ほとんどストレスなく対応できるようになりました。しかも、今までさんざん術者を困らせた詰まりもまったくありません。
手術が無事にできているのは、自分のテクニックのおかげ・・・ではなく機器の進歩のおかげだと、感謝しながら手術する日々です。
黒目の大きさをご存じですか?
直径約1.5cmです。
目の中にアプローチする眼科手術では、この中で操作をする、とても細かい作業となります。肉眼で見ることは不可能なので、手術用顕微鏡で拡大しながら手術を行う必要があります。
一般的に、カメラなどでズームすると、画質が悪くなります。しかし、画像がぼやけると、手術が困難になってしまいます。そのため、手術用顕微鏡の画質が、眼科手術では非常に重要となります。手術用顕微鏡の性能がよくなると、より精密な眼科手術をより正確で安全に行うことが可能となりました。
近年の眼科手術の進化は、手術用顕微鏡に支えられているのです。
眼科手術もいくつかの分野があり、求められる性能が異なります。そして、当院で使用している『ルメラi』は、白内障手術に特化した手術用顕微鏡となっています。
特徴は、『徹照』がとてもよいことです。
目に光を当てると、網膜で反射されます。網膜はオレンジ色なので、目の中がオレンジ色に見えます。これが徹照です。
徹照が一番力を発揮するのが、前嚢切開という工程です。
白内障は、嚢という透明な膜で覆われています。その前の部分である前嚢を丸く切り、その部分から器具を入れ、手術を行います。これを前嚢切開といいます。手術の工程の中でも初めの方のため、これがうまくできないと、以降の手術操作が困難になるだけでなく、後嚢破損や水晶体落下などの大きなトラブルにつながります。
嚢はサランラップみたいに無色透明です。そして、白内障は白く濁っています。そのため、特に白内障が進行している場合、前嚢はとても見えにくく、途中で見失うこともあります。
しかし、徹照が良いと、背景がオレンジ色になり、前嚢のエッジが浮き上がって見えるようになります。
それにより、前嚢切開で苦労することが格段に減りました。もちろん、その他の操作も立体的に良く見えるため、ストレスを感じることなく手術することが可能です。
世界一のスタッフ満足度を目指して・・・。
今年のテーマ『小さな幸せのおすそ分け』
『第1回コンビニ弁当&お惣菜』
オススメのコンビニ弁当は、セブンイレブンの『ゴロゴロお肉の贅沢ビーフカレー』です。
カレーは上品な洋風カレーです。大きくて柔らかいお肉がゴロゴロと入っていて、レトルトカレーでは再現できないところです。辛さは中辛で、少しスパイシーですが、甘味と深いコクも味わえます。
これが、税込み537円です。カレーが好きな方は、是非チャレンジしてみてください。
今回は、白内障手術における超音波乳化吸引術についてです。
12ミリある水晶体を、そのまま2ミリ強の小さな切開創から取り除くことはできません。そのため、水晶体を小さくする必要があります。そこで、超音波で水晶体を砕き、小さくなった水晶体を吸引していきます。
これが超音波乳化吸引術です。
分かりやすく例えると、大きな岩をドリルで砕き、小さくしたかけらをホースで吸い取る、というイメージです。
そして、もし岩がものすごく硬いと、ドリルではびくともしなくなり、砕くのが困難になりそう、と想像できるかと思います。
白内障は進行するほど、水晶体は硬くなっていきます。そして、末期の成熟白内障ともなると、岩のように固くなることもあります。
20年くらい前までの機器では、成熟白内障の硬さに歯が立たないことが多かったです。そのため、成熟白内障に限っては、12ミリの切開創で水晶体ごと取り除くような手術をしていました。
現在の機器は、破壊力が格段にアップし、ほぼすべての成熟白内障でも対応可能となりました。そのため、ここ10年は、切開創の大きい手術はまったく必要なくなりました。
それに伴い、手術時間も大幅に短縮され、術者のストレスも軽減されました。
開発に携わった方々、ありがとうございます。
今回は、白内障手術における切開創の大きさについて、説明していきます。
ずーっと昔は、水晶体をまるごと取り除いておりました。水晶体は、直径10ミリ程度あります。そのため、切開創は、水晶体より少し大きい12ミリくらいが必要でした。
12ミリというと、黒目と白目の境目を上半分くらい切るようなイメージです。
その後、超音波乳化吸引術という画期的な技術が登場しました。これは、水晶体を超音波で砕き、小さくした水晶体を吸い取る、というものです。この機器の登場により、切開創を大幅に小さくすることが可能となりました。
すると、次は眼内レンズが切開創の律速段階となりました。
眼内レンズは、直径6ミリ程度あります。これをそのまま入れようとすると、切開創は6.5ミリくらい必要でした。
そんな中、二つに折りたたんで入れることができるという、画期的な眼内レンズが登場しました。これにより、切開創は4ミリで可能となりました。
さらに、インジェクターが登場しました。
これにより、筒状の入れ物に眼内レンズを折りたたんだ状態で入れることが可能となりました。さらに、インジェクターが進化しており、いまでは2ミリくらいの切開創で手術可能となりました。
2ミリがいかに小さいかを体感するために、定規で2ミリを確認してください。
切開創が小さくなったことで、『自己閉鎖』と言って、切開創が自然に閉鎖するようになりました。そのため、切開創を糸で縫う必要がなくなったことが、革命的でした。
これにより、手術時間が大幅に短縮しました。また、糸による手術後の痛みもなくなりました。
さらに、術後の視力回復も格段に早くなり、多くの方は手術翌日からベストに近い状態まで視力が出るようになりました。
まさにいいことばかりです。
超音波乳化吸引とインジェクターを開発した人たちに感謝しながら、手術をする今日この頃です。
今回は、白内障手術と糖尿病につき、説明していきます。
まず、糖尿病は白内障を悪化要因とされています。
実際、糖尿病がある方で、白内障の進行が早い方がいらっしゃいます。ただし、白内障は加齢性変化のため、60歳以上の方の場合、白内障の進行が糖尿病のためか年齢のためか、鑑別することは困難です。
白内障手術が可能かどうかを判断するために、眼科ではHbA1C(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を主に参考にします。
外科などでは、
『A1Cが7.5%以下であれば手術は可能』
とされています。そのため、この基準を満たせば、白内障手術は可能と判断できます
また、A1Cが7.5以上の場合でも、白内障手術は低侵襲のため手術は可能とも言われおります。
しかし、血糖値が高いと、手術後に糖尿病網膜症の悪化、感染や炎症の増悪などのリスクが高くなります。
そのため、もし今後糖尿病が改善する見込みがあり、白内障手術を急ぐ必要がない場合は、まず糖尿病のコントロールをしっかりとしてから、手術を行うのがベストです。
一方、「白内障で視力が非常に悪く、日常生活が困難」や、「今後も糖尿病が改善する可能性が低い」などの理由から、手術を先延ばしすることが難しい場合もあります。その場合は、糖尿病のコントロールがあまりよくない状態でも、そのまま手術を行うこともあります。
ただし、手術のリスクが高いことを理解していただく必要があります。
糖尿病による糖尿病網膜症目で視力低下が生じた場合、視力の改善は困難になってしまうため、日頃から、しっかりと糖尿病のコントロールをしておきましょう。