今回は、白内障手術を支える検査機器を紹介します。
『光干渉式眼軸長検査 OA2000』
白内障手術では、濁った白内障を取り除き、その代わりに眼内レンズを挿入します。
眼内レンズの度数は選ぶことができます。そして、度数の選択により、手術後の焦点距離を自由に決めることができます。
そのため、近視の方に対し、近視をなくすことで、遠くをみるときに裸眼で見えるようにすることも可能です。
度数を選ぶために、眼軸長(目の長さ)や角膜曲率半径(角膜のカーブ具合)などの検査結果を特殊な計算式に入れることで、どの度数だと焦点距離がどこになるかが計算されます。
この眼軸長検査ですが、どうしても誤差が生じやすく、その結果、焦点距離が期待値からずれてしまいます。
すると、せっかく手術がうまくいっても、焦点距離がずれると、満足度が低下することが多々あります。
OA2000では、従来の検査機器より、より精度が高くなっています。そのため、誤差が非常に小さくなりました。
また、白内障が非常に進行した症例では、従来の検査機器では検査ができないことが少なくありませんでした。
しかし、OA2000では、視力が全くでない成熟白内障を除けば、検査可能です。
白内障手術は、手術機器だけでなく、検査機器も同様に進化を続けているのです。
2017年4月
近隣クリニックへのあいさつ回り、医師会入会審査、防火講習2日間、内装工事の見学、保険会社・医療廃棄物業者・眼鏡屋・銀行・薬卸・社労士・郵便局との打ち合わせと、相変わらず忙しい日々でした。また、谷塚周辺へ出向く用事が増えたため、移動時間が長くなり、より一層忙しくなっていきました。
近隣のクリニックへのあいさつ回りですが、当然先方の先生にとっては、ウェルカムな状況ではありません。そのため、他の先生の話を聞くと、1回はどこかともめて嫌な想いをするイベントとのことでした。そのため、最初に電話を掛けるときや、訪問に行くときは、いつもかなりストレスのたまるイベントでした。幸い皆さん暖かく迎えていただきました。
いまさらながら、ありがとうございました。
そんななか、スタッフ面接を終え、スタッフが無事決まりました。
そして、ついに運命の5月を迎えます。このとき、私の体にあんなことが起こるなんて、予想もしていませんでした・・・
開業まで1か月
続く
外来の混雑緩和のため、視野検査と眼鏡処方が完全予約制となります。
それに伴い、当日検査は不可となります。
予約は、診療の上でお取りします。
お電話での新規予約は取れません。
ご不便をおかけしますが、ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
世界一のスタッフ満足度を目指して・・・。
「2020年の目標」 『昨日の自分を少し超える』
第7回 『オススメの映画紹介』
『サマーウォーズ』
≪あらすじ≫
仮想現実世界OZをラブマシーンに乗っ取られてしまう。数学しか取り柄のないヘタレの主人公は、憧れの先輩と共に頑張るお話。
≪オススメポイント≫
夏がテーマで、長野の大きな平屋が舞台となっている。空の色や雲の形など、夏に田舎に帰った気分になれる。
11年前の作品であるが、フィクションだがリアルであり、ネット社会の現代に現実に起こりそうな話である。
テンポが良く、笑いあり涙あり。家族愛など、感動のクライマックスは必見。
白内障手術では、白く濁った水晶体を超音波で砕き、小さくしながら吸引していきます。
ここで使用する機械を
『フェイコマシーン』
と言います。
白内障手術の中で、この部分で一番トラブルが起きやすく、特に白内障が進行した症例では、難しくなります。そのため、フェイコマシーンの性能が、白内障手術に多大な影響を及ぼします。
私はいままで、ずっとアルコン社の歴代フェイコマシーンを使用していました。
私が眼科医になった20年前は、『マレニアム』や『アキュラス』でした。当時はかなり普及したので、40歳以上の眼科医なら、一度は使用したことがあるかと思います。
これらのフェイコマシーンでは、非常に進行した成熟白内障には歯が立ちません。そのため、そのような症例では、水晶体嚢外摘出術という、目の上半分を切開し、水晶体を丸ごと取り除く手術を行っていました。
次に、いまから10年ちょっと前に、『インフィニティ』が登場しました。
こちらは、前の二つとは格段に性能が良くなっており、感動したのを覚えています。成熟白内障でも対応可能となったので、インフィニティの登場以降、嚢外摘出術は一度も行っていません。
とはいえ、水晶体を破砕するのに非常に時間がかかるうえに、途中で詰まってしまうこともしばしばでした。そのたびにハンドピースに水を通したり、チップを変えたりと、結構大変でした。
そして、5年ほど前に、ついに『センチュリオン』が登場しました。
こちらは、破砕力がさらに強力になっており、成熟白内障ですら、ほとんどストレスなく対応できるようになりました。しかも、今までさんざん術者を困らせた詰まりもまったくありません。
手術が無事にできているのは、自分のテクニックのおかげ・・・ではなく機器の進歩のおかげだと、感謝しながら手術する日々です。
開業3か月前地獄
3/1 内装業者と打ち合わせ
3/2 とらばーゆ締切・医療機器ショールーム見学会
3/3 保険会社と打ち合わせ・広告代理店と打ち合わせ
3/4 前病院の仕事納め
3/7 内装業者、機械業者、警備会社、広告代理店、電話会社が一同に集まって打ち合わせ
3/8 郵便局広告締切
3/9 タウンワーク締切・お茶の水井上眼科見学
3/13 M社と打ち合わせ・西葛西井上眼科見学
3/14 検査会社と打ち合わせ
3/15 医療機器選定締切・そして内装工事開始
3月前半の予定の一部を書き出してみました。
この時期の打ち合わせは、何かと最終決定を下すことが多く、毎日何かを選んだり、文章を書いたりと、ほんとに忙しい日々でした。新しいものを作り上げるという最もクリエイティブな時期でもあり、人生でもっとも脳を酷使した時期でもありました。
そして、怒涛の3月が過ぎていきました。
開業まであと2か月・・・。
続く
黒目の大きさをご存じですか?
直径約1.5cmです。
目の中にアプローチする眼科手術では、この中で操作をする、とても細かい作業となります。肉眼で見ることは不可能なので、手術用顕微鏡で拡大しながら手術を行う必要があります。
一般的に、カメラなどでズームすると、画質が悪くなります。しかし、画像がぼやけると、手術が困難になってしまいます。そのため、手術用顕微鏡の画質が、眼科手術では非常に重要となります。手術用顕微鏡の性能がよくなると、より精密な眼科手術をより正確で安全に行うことが可能となりました。
近年の眼科手術の進化は、手術用顕微鏡に支えられているのです。
眼科手術もいくつかの分野があり、求められる性能が異なります。そして、当院で使用している『ルメラi』は、白内障手術に特化した手術用顕微鏡となっています。
特徴は、『徹照』がとてもよいことです。
目に光を当てると、網膜で反射されます。網膜はオレンジ色なので、目の中がオレンジ色に見えます。これが徹照です。
徹照が一番力を発揮するのが、前嚢切開という工程です。
白内障は、嚢という透明な膜で覆われています。その前の部分である前嚢を丸く切り、その部分から器具を入れ、手術を行います。これを前嚢切開といいます。手術の工程の中でも初めの方のため、これがうまくできないと、以降の手術操作が困難になるだけでなく、後嚢破損や水晶体落下などの大きなトラブルにつながります。
嚢はサランラップみたいに無色透明です。そして、白内障は白く濁っています。そのため、特に白内障が進行している場合、前嚢はとても見えにくく、途中で見失うこともあります。
しかし、徹照が良いと、背景がオレンジ色になり、前嚢のエッジが浮き上がって見えるようになります。
それにより、前嚢切開で苦労することが格段に減りました。もちろん、その他の操作も立体的に良く見えるため、ストレスを感じることなく手術することが可能です。
世界一のスタッフ満足度を目指して・・・。
「2020年の目標」 『昨日の自分を少し超える』
第6回 『オススメの映画紹介』
『キューティーブロンド』
美人でオシャレなブロンドガールが、愛しの彼氏ために奮起するお話。
色々なメッセージ性があり、落ち込んだ時や失恋したときに見てほしい。ファッションやヘアメイクなど、女子ならときめく要素がいっぱい。95分と短く、テンポがよいところもグッド。
「ロゴマークと診療理念」
ロゴマークを作成するにあたり、適当にカッコイイものを作ってもらうのではなく、何か物語を語るデザインにしたい、と考えました。そこで、ロゴマークは「診療理念」を形にしたものにしよう、とひらめきました。とは言え、当時はまだ、診療理念なんて考えてもいませんでした。
というわけで、まずは診療理念を作成することにしました。
『なぜ開業をするのか?』
を改めて考えてみることにしました。そして、
「みんなを幸せにする」
という言葉が思い浮かんでいました。しかし、そのまま使うと、ディズニーランドの「ハピネス」とかぶってしまいます。それでは、ミッキーに申し訳ありません。
また、アミューズメントパークではなく、眼科を作るので、題名を
「眼科医療でみなさまを幸せにする」
としました。「眼科医療で」と入れたことで、眼科医療以外の経済活動はしない、という決意表明でもありました。
本文は、ジョンソンアンドジョンソンのような作文風に書こうとしましたが、残念ながら文才がないためうまくいきませんでした。そこで、他院の診療理念のいいところをかき集めてから、自分の言葉に書き換える、という作業をしました。さらに、それを製薬会社のY氏に添削をしてもらい、修正する、という作業を何度も繰り返していきました。おそらく、10回以上はやり取りしたのではないでしょうか。そして、最終的には、他院のかき集めた文章が跡形も残らないくらいに修正され、ついに完成しました。
診療理念を作る作業は、確かに大変でしたが、自分の開業への想いを確認する素晴らしい時間となりました。そして、今後の開業活動だけでなく、開業してからも、この診療理念に何度も助けられることになりました。
思いのほか、診療理念の作成に時間がかかったので、急いでロゴマーク作成に取り組みました。今回は広告代理店のデザイナーにお願いすることになりました。
そこで、診療理念を読んでいただき、デザインを考えてもらうことにしました。
ロゴマークのうち、まぶたを表現している草の部分は、1発目に出てきました。見た瞬間に、「これだ!」
とわかりました。
一方、目の部分は、5回くらい書いていただきましたが、いいのが上がってきません。そこで、自分で考えることにしました。
診療理念を何度も読み返していると、「4」という数字が浮かび上がってきました。さらに、娘が書いた女の子の絵を見たときに、ピンときました。
そして、大きな丸のなかに4つの小さな丸を入れる、というデザインを思いつきました。
(詳細はよしだ眼科HPのロゴマークを参照)
全体のデザインが完成したときは、
「きたー!!」
と織田裕二ばりに叫んでいました。
ついに、ロゴマークの完成です。
続く