本日10月24日、電子カルテのコンピューターの不具合により、外来診療ができない状況となっております。
復旧作業を懸命に行っておりますが、本日午前いっぱいかかる見込みです。
そのため、誠に申し訳ございませんが、本日の外来診療は休診とさせていただきます。
ご迷惑をお掛け致します。
来週からは、万全の体制で診療できるよう、準備を進めて参ります。
今後ともよろしくお願い致します。
開業10日前
多忙を極めていた上に、銀行との最終契約がなかなか決まらないなど、ストレスとプレッシャーが極限地点にありました。
そんなある日、急に右耳から、波のような耳鳴りが聞こえました。すぐに治るかと思いましたが、一向に治る気配がありません。しかし、やるべき仕事が山のようにあったため、それを気にする余裕もありませんでした。
帰り道、やっぱり耳がなんだか変です。耳くそでもたまっているのか、と小指を耳に突っ込んだとき、ある異常に気が付きました。
「右耳、聞こえない」
耳に指を入れたときに聞こえるはずの音がまったく聞こえません。右耳だけにすると、特に低音がまったく聞こえなくなっていました。
さすがに焦りましたが、一晩寝れば治っているだろうと無理やり考えることにしました。しかし、翌日になっても、まったく改善していませんでした。
その日から1週間後に内覧会が予定されていました。内覧会は周辺住民への初披露する会で、新規開業にとって、もっとも重要なイベントです。この日を告知するために、何万もの世帯にパンフレットを配り、駅や郵便局のポスターを出していました。そのため、内覧会の日程を変更することは不可能です。さらに、内覧会直前には銀行との契約日も控えていました。これができないと、開業自体が破綻する恐れさえありました。
開業活動では、これまでさまざまな試練や困難を体験してきましたが、ここにきて、最低・最悪で最大のピンチです。開業の神は、あくまでも私に開業させたくないようです。
続く

今回は、白内障手術時に、目の中に挿入する眼内レンズの写真です。
真ん中は5ミリ程度の円形。
そこに腕のような形のものが二本付いている、独特の形をしています。
全体でも1センチくらいの大きさです。
これを畳んで挿入しています。
世界一のスタッフ満足度を目指して・・・。
「2020年の目標」 『昨日の自分を少し超える』
第10回 『オススメの映画紹介』
『しあわせのパン』
原田知世と大泉洋が主演です。北海道のカフェを舞台としています。
パンを中心に、様々な人との出会いがあります。
淡々としたストーリーですが、やさしく、穏やかで、ほっこりします。
これをみて、みんなに癒されてほしいです。
この映画を見た後は、パンを食べたくなること間違いなしです。


今回のこだわり器具は
『八重式剪刀』
細い筒状の先端が小さなハサミ状になっています。
1ミリの小さな切開創から挿入可能です。
白内障手術では、散瞳不良の目に対し、虹彩に切開を加え、瞳孔を広げるため使用します。
散瞳不良に対し、引っ張って広げる方法もあります。こちらの方がお手軽ですが、痛みが出やすい上、手術後虹彩が不正円になることが多いです。
一方、八重式剪刀で切開したほうが、術後の虹彩がキレイです。
そのため、院長は八重式切開を重宝しております。
大学病院時代、ぶどう膜炎外来を担当しておりました。
ぶどう膜炎になると、虹彩癒着が起こりやすく、散瞳不良の方がたくさんいました。
そんな時、八重式剪刀が大活躍してくれていました。
開業後は、使用頻度は少なくなりましたが、いざという時に欠かせない一品です。
少し時間がさかのぼります。
2016年10月、それまで下がり続けた金利が上昇に転じます。その原因は・・・
トランプ大統領就任。
TVでは以降見ない日がないくらい、今日までよく出てきますが、まさか自分にその影響が出るとは想像していませんでした。
金利上昇の影響からか、それ以前より融資を受けにくくなり、かつ上限金額が下がりました。
それまでは、開業はG銀行で全額OK、という流れでしたが、いざ銀行へ相談すると、上限金額までしか融資できないとのことでした。そのため、さらに他の銀行から融資を受けないと資金が足りない、という状況になりました。
慌てて、他の銀行に当たることになりました。
まずは、大手M銀行。しかし、金利が高いうえ、いざ話を進めていくと、M銀行からではなく、なんとかファイナンスと言う保証会社?から融資を受ける、という契約内容でした。なんとかファイナンスと言えば、闇金ウシジマくんみたいな人が出てきそうで怖いので、却下しました。
次に、地方M銀行。決して好条件ではなかったのですが、背に腹は代えられないということで、ここに決めました。
4月、A社とC社から融資の金額の配分も決まり、あとは団体信用生命保険に加入すればOK、というところで、さらに問題が勃発します。
話を進める前に、団体信用生命保険(略して団信、かっこいいのでこれからは団信と呼びます。)についての説明から。団信とは、融資を受ける際、担保なしの代わりに入る保険です。家を購入された方は、利用している方も多いかと思います。
団信は、銀行1社に対し、それぞれ入ります。そして、1社あたりの団信がカバーできる上限金額が決まっています。今回は、2社のそれぞれの金額は上限を下回っていました。そのため、ここは特に気にも留めていませんでした。
4月のGW直前、A社から突然の連絡がありました。
誰かから電話が来るときは、良いことはありません。久しぶりにイヤな予感がしました。
「A社とC社の団信が同じ会社のため、合計金額が上限を超えるから、団信でカバーできない金額がでます。どうしますか?」
という内容でした。団信が同じ会社というまさかの事態。どうしますと言われましても・・・とフリーズしていると、A社と提携しているA保険会社でオーバーした分の金額につき保険をかければOKとのことでした。開業まで時間もないので、言われるがままに契約するしかありません。
しかし、タイミング悪く、GWを挟むため、保険会社との契約は5月のGW明けとなりました。
そして、保険会社との契約をした後、やっと銀行と融資の契約を締結することができました。ちなみに、銀行との契約日は、なんと内覧会の3日前・・・。
口約束があったとは言え、世の中なにが起きるかわかりません。不測の事態で契約が破棄なったらおしまいだ、と内覧会の直前まで眠れぬ夜を過ごしていました。
内覧会を目前に、多忙とストレスのなか、ついに私の体に異常が生じます・・・。
続く

手術時の院長です。
装備としては、キャップにマスク、術衣に手袋となっております。
ちなみに、手を胸の前に位置しているのは、腰より下は不潔とされているからです。
ドラマの手術シーンの冒頭で、手を胸の前にし、指をビシッと伸ばして、
『これから何々手術を始めます。メス』
というのを思い浮かべると思います。しかし、実際には、長時間指をビシッと伸ばすのは疲れるので、写真のように力を抜いています。もっと疲れてくると、お化けのようにだらっとすることもあります。
また、両手の指を組んだり、清潔な台に手をのせたりして、手術をベストな状態で行うために、それ以外の時間では余計な体力を使わないように気を付けます。

白内障手術のこだわり器具シリーズ第四弾は
『プリセット式眼内レンズ』
白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズという、コンタクトレンズのような特殊なレンズを目の中に挿入します。
眼内レンズは直径約6ミリです。
昔は、眼内レンズをそのまま挿入していたため、目を7ミリ程度切開する必要がありました。
その後、半分に折り畳める眼内レンズが登場しました。これにより、切開も半分の3.5ミリ程度と小さくなりました。
さらに、インジェクターが登場しました。インジェクターに眼内レンズを入れると、挿入時に自動的に眼内レンズが折り畳まれます。
インジェクターの進歩により、切開は年々小さくなり、今では2ミリ程度で挿入可能となりました。
またメリットとして、挿入時に切開創などに触れることがないため、感染対策にもなります。
しかし、デメリットとしては、インジェクターにセットするとき、うまくできないと挿入時にロケット発射や眼内レンズにヒビが入るなどのトラブルが出るとこがあります。
また、セット時の菌の迷入の可能性もあります。
そこで登場したのが、プリセットです。
これは、すでにインジェクターに眼内レンズがセットされています。これにより、セッティングに伴うトラブルはほぼなくなりました。また、感染リスクもさらに減少していると思われます。
プリセットの登場時は、小切開からの挿入ができなかったのですが、最近ではインジェクターと同様の2ミリ程度の切開創から挿入可能となりました。


白内障手術のこだわり器具シリーズ第三弾は、
『マニー社のスリットナイフ』
白内障手術を行うにあたり、約2ミリと1ミリのスリットナイフで切開し、以降はそこから器具を挿入して、手術を行います。
切開は、その後の操作性から切開創の閉鎖まで影響するとても大切な作業となります。
そこで使用するのが、スリットナイフです。
こちらは、様々な会社のものがあります。そんな中、院長が愛用するのが、マニー社のスリットナイフです。
特徴は、切れ味がダントツに良いことです。他社の切れ味では、対側から押さえるなど、スリットナイフに対して反対方向の力で抑えたうえで、結構力を加えないと切開できません。しかし、マニーは、カウンターの力なしで、しかもそれほど力を入れなくとも、すっーと切開できます。そのため、自分のイメージ通りに切開をすることができます。
欠点としては、切れ味が良すぎて、手のブレや目の動きがあると、余計なところまで切れてしまうことです。
そのため、スリットナイフ自体に良い悪いはなく、術者の好みが大きいです。




